HOLLYWOOD DIARY
2007
2がつの日記



2月2日「旧友と再会」

 いやはや、久しぶりに飲んじゃってさ。上機嫌だったよ。というのも、ちょうど郊外で雄牛を追っかけてるときに族のマブダチとバッタリ出くわしてね。

ホッテントット族。

あの頃は雄牛に箱乗りなんかしてバカやったっけ、なんてすっかり意気投合。傘もささずに思い出話で最近開拓した水場に連れてって朝までガブガブ一気! 一気! なんつってアッパーなテンションのシチュエーションだったさ。

 ♪オリオリオリオリオ〜、ヤリヤリヤリヤ〜、ナンチャラッカンチャラインザナ〜、ウォンビーロンウォンビーロンお前のためにすべて〜

 デュエットでウォンビーロンの聞き取れるとこだけ大合唱したよ。

オレ「おい! 不思議なことってあるぜ。ちょうど2月だよNA!」
ホッテントット族「どういうことだい?」
オレ「和尚が2人でお正月って言うだろ?」
ホッテントット族「???」
オレ「黒人が2人で?」
ホッテントット族&オレ「ニガーツー!! HAHAHA!」
オレ「黒人が3人で?」
ホッテントット族「ニーガースリー?」
オレ「HAHAHA! じゃあ黒人が4人で?」
ホッテントット族「ニガーフォー」

(中略)

オレ「これでどうだ。黒人が57人で!?」
ホッテントット族「あ、もう帰る時間だ」
オレ「オイオイオイ、ホッテントット族! 57人で暴動だYO!」

 ・・・オチ聞く前に行っちゃったよ。しゃ〜ね〜な。1人で飲むか。グビグビグビ。♪ひとり水、手酌水、演歌を聴きながら〜っとくらぁ。


・・・で、気づいたら留置所の中でやんの。はあ?
 一気に酔いが醒めたって。どーなってんだよ。くそ! たしか酔っ払ってポコチン丸出しで

「産ませる機械ことサミュちゃんだHO! アイアム・セックスマシーン! リライトマイファイアー!!」

 って110番外の交差点で吹き矢片手に叫んでたとこまでは覚えてるんだけどな。ひょっとして「産ませる機械」ってのが失言だったか? いやいやいやいや、前後の文脈を考えてくれよ〜。良い意味で! だろ?


2月4日「コイバナ」

何が出るかな何が出るかな〜ゴロゴロゴロゴロ・・・「コロッと逝った話」。略してコイバナ!


ホッテントット族が・・・死んだんだよ。


あの後、集落に帰ったところで心臓発作でバッタリ。そのままエンター・ザ・鬼籍だってさ。
遺族の話だと、長いこと腎臓を患ってて、欠かすことのなかった人工透析を、昨日の夜だけはサボッたんだってさ。おまけにどっかでナマ水を大量に飲んだおかげで腎臓の発作がでて、超人心臓を持たない生身のホッテントット族は、そのまま・・・・そう言や、ときどき脇腹押さえて脂汗流しながら死にそうな顔してたんだよね。おかしいなとは思ったんだよ。クソックソックソッ! そうと知ってりゃ水場で夜通し宴会なんかしなかったのに。水場のバカヤロー!!

ホッテントット族・・・オレに心配かけまいと・・・長居して・・・水ガブ飲みして・・・カッコ・・・つけすぎだぜ・・・・。

よし。決めたよ。
ホッテントット族のことは忘れねぇ。水はほどほどにする。もう夜更かしはしねぇ。いろいろちゃんとする。あと、お前の分も恵方巻き食っといてやる。それからそれから、アカデミーとる。新車買う。できればヨットも。ジャグジー風呂。そんで風呂で見れるテレビつけたい。あとあと、パツキンはべらせて。こりゃ本格的になってきやがった!シャンパンガブ飲み!夜通しパーティー!!

ホッテントット族に捧げる鎮魂歌

セリフ「オレんとこ、来ないか?」(アッフゥ!)

ひとつ人より力持ち
ふたつ故郷後にして
シルバーシートで寝てるフリ
みっつ醜いハゲがある
よっつ読めない文字もある
いつついつでも二人はシンデレラ・ハネムーン
むっつ無意識にシャーペン回す
ななつなんだか夢気分
やっつやまない雨はない
ここのつコッテリ麺固め
とうでとうとうトートロジー



2月5日「夢で遭えたら」

ホッテントット族・・・。
昨日の真夜中だったかな。アイツの夢を見たんだ。
見渡す限りのサバンナさ。風が気持ち良いや。ここでこうして流れてく雲を見てると、都会のバカみてぇな争いごとが嘘のようだね。年々歳々・・・か。そしたら、誰かが向こうの方からすごいスピードでこっちに走ってくるんだよ。よく見ると死んだはずのホッテントット族だ。オーイ! 生きてたのかー! お前もここで風に身を任せてみろよ! オ・・・うわっ!よくよく見るとやっこさん、両手にひとつずつ持った腎臓を掲げながらすっごい形相してるじゃないの。まるでオレをなじるみたいな目つきでね。穏やかじゃネェな〜。よし! こうなったら親しき仲にも礼儀有り!!ちょうど手にしてたプラズマグレネードで麻痺させてからショットガン&台尻でブン殴る即死コンボ叩っこんだところで目が醒めたよ。いや〜怖かった怖かった。アイツ、あんな血相変えて、何を訴えようとしてたんだろうな。オレに言い残したことでもあんのかな・・・。

なんだか心細くなってさ。誰かの声が聞きたくなったんで、ウィル・スミスのやつに電話してみたんだ。

 トゥルルルルルルルル。ガチャ
「ハラペ〜〜〜〜〜〜〜ニョ! サミュちゃんだろ? アミーゴアミーゴ! ちょうどいまダニーとミシェルと一緒にタコス片手にテキーラ飲んでたんだよ。良かったら・・・」(ガチャ)

 間違えてロバート・ロドリゲスにかけちまった。誰なんだよダニーとミシェルってのは。まあいいや。

 トゥルルルルルルルル。ガチャ
オレ「おう。オレだよ。聞いてくれよ。きのうホッテ・・・」
ウィル「WAO! サミュちゃんいいとこにかけてきた。聞いてくれYO! びっくりドンキーってなんで店によってあんな外装バラバラなんだろうな?」
オレ「ワッ・・・??? 知らネェよ」
ウィル「あ、ソーリーソーリー。用件は何ラッチョ?」
オレ「いや、大変なことがあってさ。友達のホッテント・・・」
ウィル「あ! ちょっと待ってお湯沸かすから」
オレ「・・・」
ウィル「・・・ごめんごめん。それでそれで?」
オレ「うん。昨日な、久しぶりに会ったホッテント・・・」
ウィル「あ! すまんキャッチ入った」
オレ「・・・」
ウィル「おまた〜。それで? ハッテン場が?」
オレ「違う違う。昨日会ったホッテント・・・」
ウィル「あ、お湯沸いた!」
オレ「・・・」
ウィル「ホイホイ。おまた〜? ホッテントさんが?」
オレ「いや、ホッテントってのは名前じゃなくて・・・」
ウィル「あれ? ちょっとすまん、フィルター出して豆セットしてくるの忘れてた」
オレ「・・・」
ウィル「ホイ来た超特急。で、どーしたの。ホッテントさんだっけ?」
オレ「ホッテント死んだYO!
ウィル「ををっっっ・・・??? なんで? どーしちゃたのホッテント?」
オレ「もう切るYO!(ガッチャン)

 あ〜あ。電話なんかしなきゃよかったぜ。


2月11日「パパ、ごめんなさい〜ボンジョビの誤算〜」

パリのカフェテラスにいたんだよ。セーヌ川の水面に光が反射してが綺麗だなあ。お、エッフェル塔の上からパリジェンヌが手をふってるぞ? ボンジュールだHO! パリのアメリカ人だYO! なんて盛り上がってるうちに、ウェイターがやってきた。

ウェイター「ご注文はお決まりでしょうか?」
オレ「そうだな。とりあえずカレー。あと、フランスパンある?」
ウェイター「かしこまりました。カレーにミルクと砂糖はいかがいたしましょう?」
オレ「入れてくれ」
ウェイター「腎臓はどうしますか?」
オレ「腎臓はいいや。・・・なんだって?」
ウェイター「ジ・ン・ゾ・ウ・ダ・ヨ!!!

 見上げると、ウェイターの顔がみるみるホッテントット族に変わってんの! しかもトレイの上に血のしたたる腎臓ふたつ乗っけてね。ビックリしたぜ? オ、オイ、待てよ。話せばわかる。話せば・・・でぃや! トレイを蹴り上げると、たまたま持ってた神槍ロンギヌスで頭ひっぱたいてやったよ。なんでロンギヌスってわかったかっていうと、柄に「ロンギヌス」って書いてたんだ。それにしても、いきなり腎臓食わそうとするなんてふてえヤローだ。「胆は大ならんことを欲し、心は小ならんことを欲す」・・・だろ? あ!? 倒れたホッテントット族の目が開いた!!!

 ・・・ってとこで目が醒めたよ。まだ真夜中さ。夢か・・・。このところ死んだホッテントット族の夢ばっかり見るんだよ。どういうことだよ。ホッテントット族・・・夢判断じゃ何を意味するんだろうなぁ。誰か知らないかい? 「野菜不足」か? 「アカデミー賞がとれない」か? 




まあいいや。寝るか。・・・と思ったんだけどさ、寝室の入り口に人の気配がするんだ。逆光でよく見えネェけど、ホッテントット族? オレまだ夢見てんのか? ためしに枕を投げつけてみると、もんどりうってブッ倒れた。「ゲフッ!」とか言ってね。その声は・・・末っ子ことボンジョビか〜。なんだなんだ。どうりでホッテントット族にしてはちっこいと思ったぜ。ごめんな渾身の力をこめて枕ぶっつけたりして。どうしたんだいこんな夜中に? カレーか? あ、そうだ。ちょっと固くなってるけど恵方巻きの残りでも食うか?

ボンジョビ「おしっこ」
オレ「おしっこ? こ、こ、こ・・・コアラ」
ボンジョビ「おしっこー」
オレ「だからコアラ!」
ボンジョビ「おしっこ!」
オレ「コアラ!」
ボンジョビ「・・・れちゃう・・・ょぅ・・・」
オレ「なんだって?」
ボンジョビ「漏れちゃうよぅ!」(プッシャアアアアアアアアアア!)

 わ! バカ! プッシャアアアアアアアアアアってお前、そっちのおしっこかYO! それならそうと最初から言えよな〜まったく。あ〜あ〜あ。床びしょびしょじゃねぇか。も〜。

ボンジョビ「パパ、ごめんなさい」

   な〜に。いいってことよ。それよりホラ、恵方巻き食って元気出せ。な? ジョージおじさんも言ってたよ。

ジョージ伯父さん「殴んなよ。おねしょは心の汗なんだもの」

 ってね。もっとも、伯父さんの場合はもっぱら「尿漏れ」ってやつだったけどな。お前も心の汗流して、ひとまわりビッグになったってこった。逆に威張り散らしてやれよ。そうだ! 今度の回覧板にこのこと記事にしてご近所に自慢してやるよ。鳴り物入りさ。




2月25日「アカデミーと釣り」

「最優秀空中ヘビ退治黒人男優賞。『スネーク・フライト』のサミュエル・L・ジャクソンさん」

 念願のアカデミー賞を手にするときがついにやって来たよ。大歓声に包まれながら、ゆっくりと壇上に近づくオレ。デカプリオにウィル、ペネロペに菊地凛子、みんなうらやましそうに見てるよ。気持ち良いね。



 さあ、アカデミーのトロフィーが手渡されたよ。なんてーんだろうな。実際に手にしてみると意外に軽いんだよ。肉切れ一個ぶんぐらいかな。しかも、予想外に柔らかいんだね。グニャグニャで、しかもヌラッとしてるんだ。緊張で汗かきすぎてんのかな? ふと手の平を見ると、したたる鮮血で真っ赤っ赤なんだ。なんじゃこりゃあ! トロフィーだと思って高々と掲げてたのはなんと腎臓だったのさ。なんで? ど、どういうことなんだよ。お、おい。AD何やってんの! トロフィーと間違って腎臓持ってきてるよ! じ、ジゾッ!? よく見ると腎臓に名前が書いてあったんだ。なになに? 「ホッテントットぞ・・・く」? そんときだよ。司会のエレン・デジェネレスの顔がみるみるホッテントット族に変わってったのさ。や、やめろ。オレは仕方なくやったんだ。オレは・・・アレ? あそこに死んだはずのアマンダ・ウィンクルボスがいるぜ? しゃおぅっ! 驚いて振り向いたホッテントット族の後頭部を、ちょうど手にしてたアルテミスの弓で思っきしひっぱたいてやったよ。ガッシャ〜ン!!!


 すごい物音で目が醒めた。ま〜た死んだホッテントット族の夢だよ。あ〜あ〜あ。寝ぼけて枕元に置いてあったガチガチになった恵方巻きを窓ガラスに投げつけちまったらしい。散らばったガラスの破片集めてるうちに気がついたんだ。

あ、そうだ。釣り行こう。

 いや、坂の下の湖に氷が張っててさ。ときどきそこに丸い穴あけて釣りしてる人たちがいるんだよ。それ見た末っ子のボンジョビがうらやましがって釣り行こー釣り行こーデカマラビローンってうるせーのなんの。約束したのはいいけど、そろそろ氷も溶けそうだしさ。善は急げだ。まだ夜明け前だけど、どーせまた悪夢でうなされるのもシャクだし、ボンジョビ叩き起こして釣りに出かけたよ。湖にはった氷にハンマーで大穴開けてさ。

オ レ「よ〜し、ボンジョビ、釣りは魚の気持ちになることが大事なんだぜ。魚のふりしてみろ!」
ボンジョビ「んギャんギャピキュー!」

 そうか・・・・??? ま、いいや。よし。ちょっとこの釣竿もってろ。え〜と、道糸は5号で・・・ハリスは・・・・と。これでバッチリだ。おし。ボンジョビ、そこで釣竿垂らしてろ。動くなよ。父ちゃんあっちの木陰まで行ってるから。よし。セット完了っと。おーい! ボンジョビ、もうちょっと右! そうそう。そこそこ。いいぞ。絶対動くなよ。・・・おお?? ひいたか? ひいたんだな? よし、今だ! ふせろー!!!(ド・・・ゴォーンッッッ!)

 氷の穴から魚がプカプカ浮いてきたよ。クロコダイルダンディに教わったダイナマイト漁法さ。釣り糸の先に爆薬をしかけとくのがコツ。魚の気持ちになって考えたら、寝てるときに爆音で気絶するのなんか一番嫌な出来事のひとつだもんな。
 どうだいボンジョビ、釣りは楽しかったなあ。次はどこらへんに穴あけようか。おい、ボンジョビ・・・? なんだ。泡ふいて寝てらぁ。早起きしすぎたもんな。