2010年の映画を振り返る

覆面映画対談

対談する人
林田(極東映画連合 評議長 兼 事務総長補佐)
ヤスイ(極東映画連合 事務総長 兼 評議長代理)



   林田

    ヤスイ

林 田:覆面映画対談始めるよー。
ヤスイ:覆面?
林 田:おう。まずはこのレザーフェイスのマスクを被ってくれ。
ヤスイ:ゴソゴソ。どう?
林 田:似合ってる似合ってる。如何にも映画対談って感じでいいぞ。よし。じゃあ僕はこのドキンちゃん被るから。ゴソゴソ。ドキン星からやって来たドキンちゃんだピョン。
ヤスイ:似てるなあ。
林 田:で、今回の趣旨としては覆面で匿名性を保ちつつ、オフィシャルな場では語れないような仰天の業界ビックリ裏話などを、お酒も交えつつ斬り込んでいこうじゃないかと。
ヤスイ:ぶっちゃけちゃっていいの?
林 田:どんどんやってくれ。キミは今から覆面Aだ。僕はB。
覆面A(以下ヤスイ):言ったりまっせ言ったりまっせ〜。ケヴィン・スペイシーは、ホモ!
覆面B(以下林 田):その意気その意気。じゃあ一発目。『イングロリアス・バスターズ』。久しぶりのタラちゃん映画。
ヤスイ:殺してたねー、ナチス。清々しいくらい殺してたねー。
林 田:しかし肝心のバスターズ、意外に活躍しなかったなあ。
ヤスイ:もうちょっとガッツリ暴れて欲しかった。ユダヤ人女の復讐劇いらないよなぁ。あくまでバスターズの協力者として出てくればいいのに、前面に押しすぎ。タラさんはホントに女の復讐劇大好きなんだから。
林 田:強い女が好きなんだろうねー。DVにも負けない、むしろやり返すぐらいの。
ヤスイ:バットでナチを殴り殺すヤツ、最後までバット装備を貫いて欲しかったよ。ヒトラーをバットで撲殺するくらいの勢いで。
林 田:バスターズがほとんど十把一絡げみたいな扱いなんだもんなあ。元ネタになった『地獄のバスターズ』の連中の方がよっぽどキャラが立ってた。黒人がいたり。黒人だからナチスのフリできないの。あと物資調達のやつとかさ。
ヤスイ:ブラピなんかなんもしてねーぞ。イタリア人のふりして、ナチの額に鈎十字刻んだだけだ。ナチの軍人がたむろしてる酒場に、ドイツでは顔が知れ渡っているであろうナチ殺しの有名人を潜入させるのもどうかと思った。バレるだろ! もっとこう、適材適所にさー。
林 田:注文するときの三本指の立て方でドイツ人じゃないってばれたって説明だったけど、最初から疑われてるふうだったし。あれじゃあサスペンスが盛り上がらないよ。
ヤスイ:もっと教えてやってくださいよ、タラ公に! 林田さん流のサスペンスの技法ってヤツを!
林 田:え〜、ボクはいいよ〜。ていうか、出来上がった脚本を見直してアドバイスする人がいなかったのかなって気はした。
ヤスイ:何を偉そうに。まぁ、とりとめない感じがいつものタラ公の特徴とでもいいますか。やりたい放題といいますか。ヒトラー殺しちゃうし。
林 田:しかも結構アッサリ流しちゃうよね。しかしバスターズの計画とユダヤ女の復讐がちょっとも交錯しないままで、な〜んか消化不良な気がする。
ヤスイ:そうそう、消化不良。結局ユダヤ女も復讐果たせず死んじゃうし、バスターズの面子も真価を発揮せず死んじゃうし、ブラピは役立たずだし。
林 田:バスターズの計画が成功したのってさ、結局あのランダ大佐が亡命するために見逃してくれたからでしょ? なーんかスッキリしないっていうか。お釈迦様の掌の上で試合終了っていうか。試合に勝って勝負に負けたような。歯切れが悪いことこの上ない。
ヤスイ:どうせなら映画館の爆発でブラピも死んで、残された部下の一人が復讐としてランダ大佐を殺せばカタルシスもあったのに。部下が全滅してるのにラストでヘラヘラ笑ってるブラピじゃなぁ。
林 田:タランティーノは戦場で生まれる男の友情みたいなものに根本的に全っ然興味がないんだろうな。あのナチスの英雄がユダヤ女をかばって死ぬとかやってくれりゃさ〜。
ヤスイ:なんかもう、どうでもよくなってきた。
林 田:じゃあそろそろまとめ! 『イングロリアス・バスターズ』とかけまして?
ヤスイ:ハイ、整いませんでした!
林 田:じゃあ次! 『フォース・カインド』! フェイクドキュメンタリー映像とミラジョボの(再現)映像を並行させる手法が斬新で面白かった、かな。
ヤスイ:斬新だった斬新だった。斬新すぎて途中寝ちゃったもん。あいつだろ、犯人、あの、宇宙の。
林 田:そうそう。あの、宇宙から時刻表トリック使ってやってきた、灰色の。
ヤスイ:あのトリックは見抜けなかったなー。てゆーか、実際のインタビュー映像に出てくる主人公がキチガイ過ぎて軽く引いたわ。よく見つけてきたなー、あんなほんまもんの顔。
林 田:『母なる証明』で濡れ衣着せられた知恵遅れの男並にひいたわー。
ヤスイ:あの監督も、よくマンツーマンでインタビューできたよね。
林 田:しかも、実は身障者でしたみたいなオチがついてなかったっけ。あのオスンサンミとかいううさんくさい黒人監督にはこの手法でどんどん新作を撮って欲しいもんだ。
ヤスイ:確かに監督胡散臭かった。なんか、性犯罪の前科とかありそうだもんな。フェイクドキュメンタリーの手法でAV撮って欲しい。
麻美ゆま 林 田:フェイクドキュメンタリーと再現映像で無駄にレイプものとか撮るんだな。再現映像は麻美ゆまとか使って。で、必ずドキュメンタリー部分の方がランクが落ちる素人っぽい女優なの。興奮しまっせ。
ヤスイ:もっと宇宙人の話しろよ! そのAV買うけども! 宇宙人と麻美ゆまとどっちがいいんだよ!
林 田:どういう二択なんだよ。麻美ゆまに決まってるがな。宇宙人なんか『スタートレック』に出てきた全身緑だったりするんだろー。
ヤスイ:あのー、ホラ、ラブホテルとかにあるブラックライトとかだったら普通に見えるかも。
林 田:逆に光りまくるんじゃないか? やっぱ嫌だよ〜。
ヤスイ:もっと宇宙人の話しろよ! どういう映画だったのかさっぱりだよ!
林 田:とくに無いんですよねーこの映画。じゃあ次! 韓国映画『ソフィーの復讐』
ヤスイ:ひどかった! いや、ひどいというか、普段絶対に観ないラブコメというジャンルなんで、まったくもって徹頭徹尾毛ほども面白く感じられなかった。
林 田:予告編では面白そうだったのにな〜。『アメリ』っぽいノリなのは最初だけというか。消化しきれてない感じだったね。でもチャン・ツイイーともう一人の女優が可愛かったからいいや。
ヤスイ:チャン・ツイイーが韓国の女流漫画家という設定なんだけど、彼女の部屋の本棚に週刊少年ジャンプが並んでた点だけは評価出来る。あとは覚えてない。
林 田:もう一捻りで笑えるシーンは結構あったのにね。元カレの部屋で家探ししてたら彼女と帰って来て、咄嗟にパンツ持って隠れるとことかさ。どんな可笑しな展開になんのかと思ってたらフッツーに帰っちゃう。
ヤスイ:『プロジェクトA2』の、家の中で四つ巴になるシーンみたいに、もっと捻って欲しかったね。♪は〜香港一番偉いのだぁれ〜。
林 田:♪お髭を生やした署長さんよ〜、みたいなね。ラストも何の捻りもなく、普通に犬つれて迎えに来ましたよ〜、って。それでいいのか!?
ヤスイ:何の伏線もなくフツーに帰ってきたね、あの男。あいつ、女捨ててどっか外国に写真撮りに行ってたんじゃねぇのかよ。
林 田:腹減らした黒人のガキ撮りゃジャーナリズムだと思いやがって。
ヤスイ:銃持った子供の写真撮りゃピューリッツア賞だと思いやがって。
林 田:そんで犬連れて優しさアピールして迎えに来ました、まぐわいましょーって。呆れ返るわ。勝手にやってろよホント。腹減らした黒人のガキにその御立派なレトリバーでも食わしてやれって。ポシンタンにして。
ヤスイ:エンドロールで二人して鍋つついてる映像でもあれば面白かったのになぁ。少しでもブラックな笑いが欲しかった。
林 田:まあチャン・ツイイーが可愛かったからいいやってことで。次! 『マッハ!2』。トニー・ジャー生きてたんだね。
ヤスイ:良かった良かった。相変わらずアクションのキレは抜群で安心したよ。
林 田:しかも今回は酔拳とか暗器とか使って新しいアクションを見せてくれた。やっぱひとつを極めた素質のある人ってのはなんでも出来ちゃうんだね。まあ、ストーリーは無茶苦茶だったけど。っていうか、中ボスクラスの敵に負けっぱなしなのがどうも。カラス女とか。
ヤスイ:タイトルは『マッハ2』だけど、前作と全然関係ない話だったね。なぜか時代劇。まぁ、トニー・ジャー作品にストーリーなんか求めてないからどうでもいいんですけど。アクションは期待通りのデキだったので大満足ですた。
林 田:うんうん。トニー・ジャーにはこの調子でアカデミーアクション賞目指して頑張って欲しい。くれぐれも死なないようにして。
ヤスイ:いつ死んでもおかしくないからね。象に踏み潰されたり。トラックから落ちて轢かれたり。時計台から落っこちたり。
林 田:時計台から落っこちるのは他の人がやってるよ! 次は『サロゲート』
ヤスイ:なーんか、近未来が舞台の話ってどれも似たりよったりだよなー。『アイロボット』とか『マイノリティ・リポート』とか『ペイチェック』とか。
林 田:サロゲート以外ちっとも未来っぽくはなかったな〜。あと、ジェームズ・クロムウェルな。『LAコンフィデンシャル』の頃から裏切る上司と言えばこの人!
ヤスイ:もうね、何か陰謀がある作品にこの人が出てたら絶対黒幕だかんな。お願いランキングで黒幕の上司ランキングやったらダントツで1位だよ。
林 田:渋谷の女子高生100人に聞いて90人ぐらいはジェームズ・クロムウェルって答えるな。あと、なるほど・ザ・ワールドの「裏切りそうな人選び」でもダントツだと思うよ。「コイツかな〜?」って。
ヤスイ:なんか設定が色々と無茶なSFだったよなー。生身の人間の代わりに義体に生活させるっていう。
林 田:ウィリスが操るサロゲートがウィリスそっくりなのは、仕方がないとは言えつまんないよね。もっといろんなサロゲートを駆使して戦えば面白いのに。
ヤスイ:まぁSFだから突っ込みだしたらキリがないんだけどさぁ。物語の過程よりも、後の話が知りたいわ。今まで仕事に生活、果ては戦争まで義体に全部やらせてたのに、ブルース・ウィリスがシステム破壊しちゃって…。今まで家で寝たきりだった奴らが衰退した肉体でどうやって生き延びるのか気になってしょうがないよ。未曾有の大惨事だよ。
林 田:なんかさー、新しいテクノロジー、例えばポケベルだったり携帯だったりmixiアプリだったりツイッターだったり、そういうのが出てきた時に「いや、オレはやってないから」みたいな自己主張するヤツって必ずいるけど、そういうのの最たるもんだよな、あのウィリスは。テメーだけが使わなきゃいいのに、それを他人に強要して。ひどい!
ヤスイ:別にいいじゃねーかよなぁ、サロゲート社会だって。多少の不具合くらい見逃せよ。奥さんだって若返ってエンジョイしたいんだよ。それを自己満足で破壊しやがってよー。人類の敵だよ、ウィリス。ナカトミビルからやり直せよー。
林 田:そうそう。サロゲートの設定でアクション映画だったら面白かったのになあ。どっちが先に本体見つけるか競争みたいな。そういう映画を期待してたんだけど。
ヤスイ:サロゲートでしか出来ないようなアクションが欲しかった。腕もぎ合戦とか。
林 田:ギャグっぽくなるけどな。そういうケレン味はゼロだったね。やっぱり根本的に設定と物語のトーンが合ってないんだな〜。思いっきりシリアスだから余計に矛盾が際立ってしまって。
ヤスイ:次は『パラノーマル・アクティビティ』だー。いま流行りのフェイク・ドキュメンタリーってヤツですね。
林 田:夜中にずーっとつっ立って見つめられるのって嫌だよな。
ヤスイ:よっぽど旦那に対して据えかねたところがあったんだろうなぁ。あの、女友達と浮気でもしてたんじゃなかろうか。
林 田:消去法で考えるとあの女友達が一番怪しいな。
ヤスイ:多分あの女の自作自演で全てか解明できる。あいつがずーっと天井裏に隠れて色々細工してたんだろうねー。
林 田:しかし、わかりやすい部屋の作りだったねー。ベッドがあって、悪魔が来る廊下が向こうの方まで見渡せて。『アンタッチャブル』のショーン・コネリーの家の縦バージョンみたいな。
ヤスイ:あの夫婦もさー、寝る位置逆にしたりすればいいのにさー、もうされるがままじゃない。どうぞ、乳首をお噛みください。
林 田:明らかにピンポイントであの奥さん狙いできてるんだからさー。あと、家を出ても無駄だって言われて、ハイそうですかとずーっと家に閉じこもりきり。素直すぎる。無駄かどうかやってみりゃいいじゃん。やって傷ついてからでも遅くはないよ。話はそこからだ。
ヤスイ:よっぽどあの家に思い入れがあったのか。とりあえずオレだったら人が多い所に行くなー。「ほらほら、悪魔に襲われてますよー!! これでいいんですか皆さん!?」って訴える。助けてもらえなくても同情はひけるよね。
林 田:被害を公にしてしまえばいいんだよな〜。あんだけはっきりした形で心霊現象が起きてるんだから。こりゃ逆に一儲けのチャンスでっせ。
麻美ゆま ヤスイ:あの心霊専門家の大学教授? すごいビビリようだったね。来て一目見て帰ったからね、あの野郎。あんな頼りにならねぇ専門家初めて見たよ。おまえ今までどんな心霊見てきたんだよ、って。
林 田:カラス神父を見習って欲しいよな〜。まあ見方によっちゃ相当な危険察知能力があったんだろうけど。柔の使い手かも。毎年この喩え言ってる気がするけど。
ヤスイ:渋川剛気クラスの達人だったのかもね。あの教授、優勝かっさらっちまうぜ?
林 田:続編の話があるらしいけど、舞台を日本家屋にしてやってほしい(※後日、本当に作られました)な。奥さんは誰に演じてもらおう?
ヤスイ:え? うーん今だと…麻美ゆま…かな?
林 田:いいねー。こりゃ悪魔が出る前のベッドシーンに期待が高まるね。あと、霊に乗り移られてからはもう、空中浮遊してアクロバティックな体位で再現映像しまくんの。
ヤスイ:てゆーか、もうあるんじゃねぇの? 次、『ラブリーボーン』
林 田:シアーシャたんかわえかった〜。
ヤスイ:可愛かったなー。終わり。
林 田:犯人役の男がピーター・ストーメアに見えたけど、よく見たら違ってた。
ヤスイ:雰囲気似てたな。いかにも変態犯罪者っぽいとこが。変態ロリペド性犯罪者の鑑のような男だった。
林 田:しかし振り返ると家族のドラマなんかよりも、あの変態の挙動の方が記憶に残ってるんだよな〜。なんかドラマの比重がおかしいよ。片や猟奇的性犯罪者で、片や夫婦の不仲で家出るの出ないのって。交互にやったらそりゃ性犯罪者の方に目がいっちゃうよ。
ヤスイ:主人公の迷い込んだ死後の世界の映像もさー、なんかありきたりというか前時代的というか、別に面白くもなかったな。死後の世界から家族にヒントを与えて犯人を捕まえるのかと思ったら、犯人フツーに逃げるし。肩透かしだよー。
林 田:全くもってどこに注目して見りゃいいのかわからん映画だった。やっぱシアーシャたんか。
ヤスイ:あの子は純朴な感じで可愛かったなー。そら拉致監禁したくもなるわーって。犯人がシアーシャちゃんに何をしたのか克明に記録した特典映像とかあれば買うのに。
林 田:そこなんだよ! 犯行映像がまるまる抜けててちょっとガッカリだったね。あれじゃ犯人に対する怒りもあんまりわかないんだよな〜。
ヤスイ:犯人の最期もなんか取ってつけたようなカンジだったな。とりあえず、因果応報してみました、的な。
林 田:因果応報かな〜? それすらよくわかんない。あとさ、あの霊界に出てくる他の女子が軒並み変態の犠牲者なのが可笑しかった。もしかしてあそこは、あの変態に陵辱されて殺された人間が閉じ込められる世界なのか? 変態のスタンド能力かなんかで。
ヤスイ:吉良吉影みたいなヤツだな。荒木先生が漫画化したら面白そうだな、コレ。
林 田:あとさー、あのシアーシャたんにまとわりついてくる、人間でいうところのブスみたいな妖怪。DVDではあいつだけカットできる機能つけてくれ。
ヤスイ:あの、妖怪山童子ね。犯人の嗜好も幅広いよなぁ。股に穴あいてりゃ誰でも良かったのか、アイツ。
林 田:明らかにあの妖怪だけ規格自体違うんだもん。酔った勢いでやっちゃったのかなあ。目が覚めてからイラッとして殴り殺したのかも。
ヤスイ:よっぽど辺りが暗かったのか…。闇鍋で変なの掴んじゃったみたいな。ひどい言われようだな、アイツ。
林 田:だってブスだもん。仕方ないよ。顔を憎んで人を憎まず、さ。
ヤスイ:良いこと言うわー。次、『シャーロック・ホームズ』
林 田:うーん。見た直後は面白いと思ったけど、思い返すとどんどん評価が低くなってる気がする。自分の中で。
ヤスイ:別にシャーロックホームズじゃなくてもいいやん? って思った。トリックも何もあったもんじゃなくて、とにかく力技で解決するホームズとワトスンくんが、なんかもう、なんかなーって。
林 田:なんかね、そこに絡んでくるメアリーとアイリーン・アドラーは、どっちかでいいんじゃないかという。出すんなら2作目とかさ。
ヤスイ:続編出るのかなぁアレ。これみよがしにラストでモリアーティ教授出てきたけど、なんかこのまま立ち消えしそうな。どうせならもっとトンデモなホームズになるといいのに。『ヤングシャーロック-ピラミッドの謎-』みたいな。
林 田:もう一気に舞台を現代にうつして二人の子孫が大活躍すればいいのでは。ホームズのスピンオフでそういうの読んだことある。いつものガイ・リッチーの作風でさ。
ヤスイ:なんか、マンガかラノベでありそうだな。じっちゃんの名にかけて。モリアーティの子孫はツンデレで。ワトスンはメガネっ娘。ものすごい今更感。
林 田:レストレード警部の子孫は生徒会のうるさいやつ。これ以上やったら部費カットーみたいな。
ヤスイ:今更過ぎて歯牙にもかけられねぇよ、そんなの! もっと映画の話しろよ! ボクシングのシーンだけやけにガイ・リッチーだった。
林 田:『スナッチ』でっか? みたいな。話は戻るけど、肝心のトリックがことごとく酷かったなあ。そこら中に共犯いすぎだろ。推理ものでやっちゃいけないパターン総浚えだった。南米の謎の毒とかさ〜。
ヤスイ:警官も死刑執行人も共犯。そりゃ空だって飛べるさ! もう、ホームズ以外全員共犯なら良かったのに。
林 田:『オリエント急行殺人事件』か! 雪山に消えた謎の男が犯人にされておしまい。
ヤスイ:モリアーティが盗んでった、電波で操作する装置を使って、次回作では巨大メカでロンドンの街を破壊して欲しい。行け、ロボ! って。
林 田:出来たばっかりのタワーブリッジをぶっ壊すのな。じゃあ製作総指揮はマイケル・ベイで。
ヤスイ:トランスフォーマーでやれ。次、『シャッターアイランド』
林 田:なっげーんだよ。1時間半ぐらいだったらあのオチでもまあ許せたけどさ。散々引っ張ってそれかい!
ヤスイ:ていうかさー、煽り過ぎなんだよ、アレ。上映前に「オチを他人に話さないでください」とかテロップだしたり、あと公式サイトで「謎をいくつ見つけたキャンペーン」みたいなのやってたり。自分でハードル上げすぎてコケてるって印象。
林 田:あの錯視のトリックあったやん。予告編で出てた、棒の長さが違うく見えるやつ。あれどっこにも出てこないのな。ひっでー。
ヤスイ:そんな謎謎言うからさー、こっちもさぞビックリなどんでん返しがあるんやろなーって期待しちゃった分、肩透かしが半端なかった。そんなオチならハナからわかっとんねん、と。
林 田:ナチス関連の回想シーンは、いるか? 何かの伏線にもなってなかったし。思わせぶりなだけで何の意味もないミスディレクションだよ。ああいうのカットしてもっと短くしてくれ!
ヤスイ:オレはーナチだって躊躇なしにー殺すんやでーというディカプリオなりの意思表示か。知るかボケェ。大体、舞台が精神病院ってのもずるいよなぁ。怪しいやつ出し放題やん、そんなの。見本市やん。
林 田:閉鎖された精神病院で秘密の人体実験が!?って展開で、どう考えてもそっち方面に進んだほうが面白そうだったのに。あのオチはないわ。そういや別病棟あるやん。あれもいらないっつーか意味ないっつーか。
ヤスイ:どこまでがデカプリオの妄想で、どこからが現実なのか、区別が曖昧でよくわかんねーの。イライラする。
林 田:アンフェアなんだよな。だからさー、「現実の綺麗なサナトリウムでどういう感じで行動してたのか映像」もちょっとは見せて欲しかったよな。すごい面白い映像になったはず。
ヤスイ:別窓で比較映像と一緒に流したら面白いだろうな。オーディオコメンタリーついたらさらに面白そうだ。本編より絶対面白いよ。
林 田:そこでオスンサンミ監督の出番ですよ!
ヤスイ:オスンサンミずるいよー。名前でオチてるやん。オスンサンミvsスコセッシのトークバトルとかガチの殴り合いとか収録して欲しい。
林 田:いま次回作が一番楽しみな監督だよ。オスンサンミ。
ヤスイ:『007』の新作の監督とかに抜擢されたらどうしよう。
林 田:次は『ハートロッカー』。アカデミー賞作品だ。
ヤスイ:処理してたねー。地雷。バグダッド市民もたまったもんじゃないよ、街中にあんなの埋められて。
林 田:映画を見る限り中隊長クラスの人がやるわけでしょ? 一生懸命死なずに戦って出世して、挙句にあんなことやらされたんじゃ。
ヤスイ:なんなのアレ、志願してやってるの? 爆弾解体中毒みたいなもんなんだろうね。通常の神経じゃやってらんねぇって。
林 田:家で『鈴木爆発』やってた方がいいよ〜。
ヤスイ:『鈴木爆発』よりは面白いんじゃないか? 爆弾解体のほうが。解体フェチにはたまらないんだろうよ。
林 田:なんだなんだ。イスタスか? アナスイか? しかし本当に爆発物処理って今でも人任せなんだろうか。
ヤスイ:爆発させて処理するならともかく、解体となると人間の手じゃないと出来ないんじゃない?
林 田:うーん。解体する必要性とは? 戦車で踏み潰せばいいんじゃないかなー。
ヤスイ:あんまり大雑把なことやってると笑われちゃうんじゃないの? アメリカ軍が。天下のアメリカ軍ですから、解体ぐらいマジ余裕っすよみたいなのを見せてるんじゃないの? 世界に。
林 田:そこまでやるんならユーストリームで配信してほしいな。
ヤスイ:たまに失敗して吹っ飛んじゃうから配信しないんだよ、きっと。ニコ生で地雷除去中継やればいいのに。
林 田:よく知らねーんだよニコ生は!
ヤスイ:情弱乙。
林 田:スナイパー戦が面白かった。
ヤスイ:ていうか、あの人ら地雷処理班なのか狙撃班なのかなんなのか。そんなオールマイティなんか、アメリカ兵。最強じゃないか。
林 田:あの黒人は元諜報活動やってたらしいじゃん。それぞれに長所短所があるんやろね。間接攻撃しかできないとか。雷に弱いとか。
ヤスイ:特攻野郎Aチームみたいだな。
林 田:あのさ、主人公ってなんで最終的にアメリカからまた戦場に戻ったんだろ? 妻子と安穏と暮らせたのにも関わらず。
ヤスイ:えー、だからー、戦場で感覚が狂っちゃってるから平和な日常に馴染めなくなっちゃったんでしょ? 自分の子供とどう接していいか分からなかったり、ショッピングモールが異質なものに見えたり、そんな描写あったやん。
林 田:ああ、そういうことだったのか。シリアルの種類が多すぎるからあっちの方まで目を凝らしてるシーンかと思ったわ。
ヤスイ:キミはハートロッカーの何を観てきたんだ何を。
林 田:スナイパー超かっけー……とか?
ヤスイ:おまえはいっぺんイラク行ってこいよ。あの地獄のような戦場を体験してくればすべて分かる。
林 田:いや〜、家で『鈴木爆発』やるから今回はパス。
ヤスイ:次、『第9地区』! 借り暮らしのエイリアン。
林 田:ずっと年末気分でベートーベンを合唱してる地区の話かと思ったら。あのエイリアン共のろくでもなさったらないね。どーしちゃったんだろう。そこらへんのエイリアン側の設定が何も明かされないのがかえって良かったな。あくまでも外部の者という扱い。
ヤスイ:文明レベルは高そうなのに、知能レベルはやけに低かったな。ブルーカラーとホワイトカラーの格差が激しすぎるのか。猫缶で大喜びしてるし。
林 田:猫缶が高騰して猫缶詐欺が横行して……って、テキトーすぎる設定だよな。そこでのさばるのがナイジェリア人の犯罪グループって、ナイジェリア人はどう思ってるんだろ。
ヤスイ:実際いるんじゃないの? ナイジェリアンマフィア。黒人同士、少ないパイを取り合ってるんだよ。そこに宇宙人がやってきてさぁ大変!
林 田:どう見ても小役人なヴィカス君が頑張るよね。自分の為に。
ヤスイ:あんな自分勝手な主人公も久しぶりで、逆にスカっとしたわ。終始、自分が治ることしか考えてなかったね。ラストちょっと改心したけど。あんな、腕がズルっとむけて中身があんなんなってんだからいい加減諦めろよヴィカス。
林 田:その設定も謎……というか、内骨格生物が外骨格生物になるんでしょ? 魔法か? なんだあの液体は。
ヤスイ:なんなんだよ、あのトンデモ物質! しかも宇宙船の動力源なんだろ、アレ。適当すぎる。なんか、中学生が考えた、適当に設定足してったらワケのわからないことになったTRPGのキャラクターみたいなカンジ。
林 田:軍部もさー、武器なんかよりまずあの液体の謎を解明するべきだろ。地球上の物質で生成可能らしいんだから。すっごいずさんに保管されてたし。
ヤスイ:あんなゴミの山からあんな物質ができるとは…恐るべし南アフリカ。そらワールドカップも開かれるわ。
林 田:なんのつながりがあるんだよ。あと、ヴィカスが乗り込むパワーローダーが超カッコよかったな。無駄に武装が豊富で。豚をトラクタービームで吸い上げて発射する「豚砲」がお気に入り。
ヤスイ:ホントにアレ無駄に武装が豊富だったよなー。ゲームのやりすぎだろ。面白いから足しただけだろそれ、みたいな。もうなんていうか、清々しくて良かった。とにかく殺せ、みたいなノリ。
林 田:あー、そういや『FALLOUT3』でそこらへんのゴミを拾って発射する武器出てきた。それか〜。
ヤスイ:色々ゲームっぽかったよな。HALOっぽいというか。
林 田:さすがピージャクだね。痩せて別人になっちゃったけどオタク魂は健在なり。あーそうそう。終盤にちょっとだけバーチャルコンソールが出てくるけど、あれもいかにもオタク的でカッコよかった!
ヤスイ:とにかくオタク心をくすぐるギミック満載で、終始興奮できたわ。舞台が南アだから、なんやアパルトヘイトに絡めて政治的なこと言い出したらどうしようと思ってたけど、杞憂だった。
林 田:差別されるやつぁオレんとこへ来い。オレもされてるけどなんとかなるさ! みたいなね。何一つ問題は解決してないんだけど、不思議に清々しい幕切れ。あのエイリアン、絶対帰って来ないと思うんだ。
ヤスイ:大艦隊引き連れて帰ってきたら面白いな。ヴィカスに「3年でオマエの体を治せる」みたいなこと言ってたけど、アレだけ骨格も変わっちゃってどう治すんだよー。どう考えてもその場凌ぎのウソやん。
林 田:治ったら魔法だよ魔法! とにかく一刻も早く脱出したくてあの場をしのぐためについた嘘なんだろうけど、エイリアンと人間の時間の捉え方がちょっと違ってたんだろうな。あと、あのエイリアンの子どもがかわいかったな〜。
ヤスイ:次回作はあいつらの生態を詳しく描写して欲しいな。次回作があるかどうかわからんけど。第10地区。
林 田:どんどん続いてくのか。しかし南アフリカでは特別な意味合いがあるのかね。あのなんとか地区ってのは。部落みたいなもんか。黒人だけにブラックチックでしょー。
ヤスイ:ブラックなのにおも白いってね! もういいや、次『タイタンの戦い!』! TTT!
林 田:戦闘シーン以外うとうとしてたから正直よくわからんわ。
ヤスイ:ボクも徹夜明けだったんで、途中寝落ちしちゃって…。巨大サソリが出てきた辺りまでは覚えてるんだけど、それ以降が曖昧で。なんか、ウトウトしてハッて気づいたらなんか戦ってて、またウトウトしてハッて気づいたらなんか戦ってて…という繰り返しだったなー。
林 田:珍しいよな。二人共同じサイクルで寝てたっていう。後で確認しようにもどっちも寝てたから謎が謎として残ってしまった。
ヤスイ:リーアム・ニーソンが光ってたのが印象的だった。アレが催眠光線だったのかもしれない。
林 田:どの映画でも天国だの神の世界だのって驚異的にビジュアルがつまんなくなるよな。とにかく光らせとけ的な。
ヤスイ:そういやあの巨大サソリ飼い馴らしてたけど、どうやったんだ? つーかもっと早く飼い馴らしとけよ。楽に戦えたよ!
林 田:それまで猛威を振るってたのに、急に乗り物にシフトしてったからなあ。なんで? 良いサソリと悪いサソリがいるのか?
ヤスイ:なんだろう、黒チョコボと黄チョコボの違いみたいなもんか? ていうか半分寝てたから語ることもないなぁ。あいつ、あの、サム・ワーシントン! どうだった?
林 田:と言われても。犬が好きそう?
ヤスイ:あと何でワシントンじゃなくてワーシントンなんだ。ワシントンでいいだろワシントンで。伸ばすのがなんかムカつく。
林 田:紳助に改名してもらえばいいんだよ。イガグリ坊主とかさ。よし! 今後我々はあいつを「イガグリ坊主のスポーツマン君」と呼ぶことにする!
ヤスイ:頑張れ、イガグリ坊主のスポーツマン君! 次回作は何だ? あんま気にならないんで次! 『プリンス・オブ・ペルシャ-時間の砂-』
林 田:これは意外に面白かった。元のゲームは体験版しかやったことないのに。
ヤスイ:ボクはちゃんと原作クリア済みですけどね。原作だとちゃんとした王子様だった気がしたけど、映画はそこいらのガキが王様に拾われたって設定だったな。王様が自分から跡目争いの要因増やしてどうする。
林 田:こいつ面白いから養子にしてみようゼってノリで。せめて子供のいない叔父貴に預ければ良かったのに。そしたら叔父貴も道を踏み外さなかったかもしれないのに。
ヤスイ:そりゃ叔父貴も怒りますよ、勝手に跡目増やしやがって。人の苦労も知らないで。高い金払ってアサシン囲ってんやで?
林 田:アサシン軍団の本拠地に行ったときに、あの叔父貴ってば二回ほどアクシデント的に殺されかけてなかったか? 斧とか蛇とか。
ヤスイ:パトロンなのに扱いがぞんざいだったな、叔父貴。部下にすっごいナメられてる中間管理職みたいで哀愁を誘う。もうあの叔父貴に跡目継がせてやれよ!
林 田:しっかしあの主人公の国もさ、ワーッて勢いで攻めてって他所様の城下町を蹂躙してから、今のは勘違いでした、ところでお姫様をください……って、やってること無茶苦茶なんですけど。国際社会で孤立化必至。
ヤスイ:で、攻め込んだ先で、いきなり王子が叔父貴をぶっ殺す内紛騒動。どういう国家体制だよ。国連から除名されるよ。
林 田:今回の一件でギリシャみたいに格下げされたろうな。そんなわけわかんない国と同盟したくないし。時の砂でちょっとだけ時間を戻れる設定はもっと使ってほしかった。
ヤスイ:登場人物があらかた1回は死ぬってのもすごい映画だな。時の砂で巻き戻って生き返るんだけど。主人公もヒロインも父親も兄貴も皆死ぬしな。でも叔父貴だけは死んでも帰ってこなかったよ……。
林 田:叔父貴だけ助からないタイミングだもんなー。どこら辺で謀反心を起こしたのかわからんし。叔父貴もさー、もしかしたら私心じゃなくて、憂国の志を胸に起こそうとした計画だったかもしれないのにな。乞食の子供含めて3人も跡取りがひしめいていがみ合ってるようなわけわからん国なんだから。
ヤスイ:叔父貴は腐ったペルシャを再建しようとしてたんだよ…それなのにバカ王子共が…! 滅んじまえよ、あんな国。
林 田:3人で手をとりあって国を盛り立てよう!って『北斗の拳』の雪の国編みたいな終わり方だったけど、もー駄目だと思うな。国際的な信用ガタ落ちだし。切れ者の叔父貴はいないし。
ヤスイ:こりゃ続編無いわな。次、『アイアンマン2』
林 田:最初の調子に乗ってるところが可笑しかったな。株主総会かなんかにピンポイント着地してトニー・スタークでござい!
ヤスイ:なんか、『1』の最初の頃のトニー・スタークに戻ってたな。まるで成長していない…。
林 田:でも実は不治の病に侵されていて、やけくそ気味のカラ元気なんだよ。F1に突然参戦したりして。そんなこと実際できんのか?
ヤスイ:そりゃもう、天下のトニー・スタークですからー。やりたい放題ですよ。女とっかえひっかえですよ、あのヤク中。
林 田:それはロバート・ダウニー・ジュニアの話だろが。あのリアクターの副作用を抑える新原子の設計図をお父さんがアイアンマン発明のはるか前に発見してたんだろ? しかもわざわざあんなわっかりづらいパビリオンの模型に隠して。あの模型あのまんま捨ててたらどうなってたんだよ。考えるだに恐ろしい。
ヤスイ:ちゃんとした設計図残してやれよなー、親父も。この程度のことが分からないようでは世界を守れないよトニーくん? リアクター中毒で死んでも、まぁ、自業自得よトニーくん? …という親心だったのかもしれない。ムカつく親父だな。
林 田:親父との共同研究で金儲けしようとしたロシア人が今回の騒動の元凶なんだよな。リアクター開発の功労者なんだから、ちょっとぐらい大目に見てやれよー。自分のほうが思いっきり金儲けし尽くしたくせに。やな親父!
ヤスイ:なー、ひどいヤツだよスターク一家は。片や、追い出されたロシア人の息子のミッキー・ロークは底辺の生活。もう、やっちゃいなよミッキー! って応援したくなった。
林 田:ミッキー・ロークはどん底の生活してた科学者の割にムッキムキですごい戦闘力だった。あと、インコ飼ったりして『レッドブル』かと思った。
ヤスイ:『レスラー』の撮影の後、そのまま来た感じだったね、ミッキー。でも死に際はあっさりやられたな、アイツ。
林 田:話を『レッドブル』に戻すけどさ、米露の科学者代表同士で腕時計交換して終われば面白かったのにな。『レッドブル』オマージュ。
ヤスイ:話を『レッドブル』に戻すなよ! サウナで素っ裸で戦ってたのと、大型バスでカーチェイスしてたのしか覚えてねぇよ。
林 田:看護婦に女装した殺し屋が病院で撃ち殺されただろ。忘れんなよ! で、ミッキー・ロークは死に際確かにあっけなかったな。棒立ちで爆発って、絵的に地味というか。どういう気持ちで死んだんだろう。
ヤスイ:『キン肉マン』のヘル・ミッショネルズのクロスボンバーみたいな技だよな。「プラス!」「マイナス!」って。
林 田:破れたマスクから髪の毛がちょっとずつ出てくるやつね。あれでなんでマスクが剥げるのかが未だによくわからん。
ヤスイ:アレは、ネプチューンマンとビッグザ武道が前後からラリアートで挟んで、二の腕でマスクを固定して、ずり上げて脱がしてるんだよ。今考えた。
林 田:うーん。回りくどいな〜。見た目は派手だが。完璧超人も意外に観客目線意識して戦ってたんだろうかね。
ヤスイ:超人だってそれで飯食ってんだから。魅せないと。
林 田:あ! そう言えばジャンクマンっていただろ? あいつは普段どうやって生活してるんだ? あんな手で。付き人に尻拭かせたりしてんのか?
ヤスイ:色々アタッチメントがあるんじゃないの? 高枝切りバサミとか。菜箸とか。
林 田:大雑把なもんしか食えないじゃん! 寿司とかまず無理だし。ジャンクマンの何気ない日常をゆでたまご先生に描いて欲しい。
ヤスイ:そうだ、ジャンクマンといえばアイアンマンだけど、あの、トニーの友人の黒人のヤツ、役者が変わったな。テレンス・ハワードからドン・チードルになってた。
林 田:なんか時給アップを要請して降ろされたんだって。
ヤスイ:え、時給制なの?
林 田:そうだよ。ハリウッドの黒人はみんなそう。その日撮影所の前で役名読み上げて「ハイハイハイハイ! オレやる!」って。
ヤスイ:山谷のドヤ街みたいなシステムだったのかー。大変だなぁ。次、『インセプション』
林 田:すれ違いざまの夢ドロボー!
ヤスイ:なんか、よくわかんなかった。
林 田:夢が階層に分かれてて、時間の進み方がどんどん速くなる、ここまではいいんだけどさ。その他の「できること・できないこと」の設定がイマイチ伝わって来ないんだよな。あの大学生の女なんかクソの役にも立ってなかったやんけ。夢を設計したくせに。あの建物変形能力とかどこへ置いてきたんだよ。
ヤスイ:アレは原作とかあるの? なんか色々と説明されてなくて、全然わかんねーよ。ディカプリオを追ってる企業とか、渡辺謙が何をやりたかったのかとか。渡辺謙はどうしてそこまでして敵対企業の親子の仲を復縁したかった。回りくどい。
林 田:普通に特許のアイデアをかっぱらう話かと思って見だしたから、途中でわけわかんなくなるよな。もうさ、思いっきりストーリーを簡略化して麻美ゆまと淫夢見ちゃえ〜って話で良いと思うんだ。
麻美ゆま ヤスイ:2次元の世界でアニメのキャラとキャッキャしてる世界でいいよ、もう。
林 田:夢の世界ならではのビジュアルなりキャラクターなりってのが驚くほど出てこないのな。フッツーに雪山で物理法則にのとってスノーモービルのチェイスしたり。昔の007じゃないんだからさ〜。
ヤスイ:序盤の夢説明のシーンは面白かったのにな。オブジェクトが粉々に吹っ飛んだり、町が折り畳まれたり、思い通りに街の姿変えたり。
林 田:そうそう。あそこが結局一番面白かった。ああいうのでいいんだよ。ああいうのを最後までやって、麻美ゆまも交えてローションまみれで乱交して終われば何の不満もない。
ヤスイ:夢の世界でアニメのキャラとセックスして終われば何の不満もない。ていうかさ、結局ディカプリオのせいで全て失敗してるよね。コイツはもう外したほうがええんとちゃうか?
林 田:腹立ってきた。どこにでもポコポコ奥さんの亡霊出現させくさりやがって。公私混同も甚だしいよ。職場に自分探しを持ち込むんじゃあない! そもそも奥さんが死んだ云々がちっともこっちの心に響いて来ないのがなんとも。
ヤスイ:『シャッターアイランド』では子供も死んじゃってるんだから、儲けもんじゃないのディカプリオ! 現状に満足しろよディカプリオ。
林 田:子供よりもよっぽど奥さんの方が大事なんだねって思えちゃうよな。とっとと仕事終わらして家族サービスすりゃいいのに。
ヤスイ:なんかもう、考えれば考えるほどよくわからん。まぁ、夢の世界だからと言ってしまえばそれまでだけど。
林 田:夢を夢で終わらせないで! はい次。
ヤスイ『借り暮らしのアリエッティ』! アリエッティ可愛かったねー。
林 田:アリ……え? どう受け答えして良いかわかんない。どこらへんが? え?
ヤスイ:どこらへんがって…。そんなこともわからぬほど耄碌したか…。可愛かったやんけ、全体的に。
林 田:ヤスイくんはアレだもんなー。なんか高いところから飛び降りる娘とか好っきゃもんな〜。そういうカテゴリーか。
ヤスイ:むしろ可愛くないところを教えて欲しい。どこがダメだっていうんだよ!?
林 田:ダメとは言わないけどさー。そう言えばジブリの女の子キャラって僕的にはいっこもヒットしたことないんだよな〜。ナウシカにしろシータにしろ。僕と宮崎監督の理想とする女性観が決定的に違うんだろね。
ヤスイ:まぁ、あの人ロリコンだからなぁ。合わない人には徹底的に合わないのかもしれんね。
林 田:女なんてのはよ、家で旦那の帰りを乳出してピョンピョン飛び跳ねながら待ってりゃいいのよ。ガハハ。
ヤスイ:亭主関白だなー。アリエッティがそんなんだったら絶望するわ。小学生観に来ないわ。
林 田:でもアリエッティって最終的には種の存続のためにあのマタギモモンガみたいなのに手篭めにされるんじゃよね。
ヤスイ:まぁ、それはそれでアリで。
林 田:アリエッティだけにアリH?
ヤスイ:アリエッティは可愛かったけど、作品的に面白かったかと問われれば、まぁ、普通だったかなー。
林 田:演出が淡々としてたよな。いきなり盛り上がりもなく少年が軒先でアリエッティ見かけちゃうし。「アレ? ここ大事なシーンじゃないの?」って混乱したよ。あと突然マタギモモンガが出てくるところとか。ピアスでカーテンよじのぼるとこも全然危なげ無く登り切っちゃうし。
ヤスイ:ストーリーに抑揚がないというか、山場がなくて盛り上がりに欠けたなぁ。初めての「借り」のシーンとか、お母さんを救出しに行くところとか、もっと大冒険して欲しかった。
林 田:あの少年もさ、突然地上げ屋みたいに壁破壊してドガーンと乱暴にドールハウスの切れっ端ぶっこんで、そこだけキャラクター設定というかなんというか、おかしくないか? そこで顔が一切映らないのも怖い。
ヤスイ:病弱で思慮深いカンジの子に見えたんだけどねぇ。死に直面して精神を病んでいたのかもしれない。ていうか、心臓病の設定いるか?
林 田:そうそうそう。っつかさ、そういう設定入れるんだったら後日死んだか生きたかどっちか見せてくれよ。モヤモヤするわ〜。
ヤスイ:あと、家政婦のハルさんがさー、無駄に邪悪だったなぁ。邪悪で汚らしくて、なんか見てて不快なキャラだった。
林 田:あの人がブロッコリーくちゃくちゃするとこなんか醜悪だったな〜。ジブリ作品と言えば美味しそうな食事シーンが楽しみなんだけど、ここはちっとも美味しそうじゃなかった。この家政婦が、何がしたくてアリエッティ達を生け捕りにしようとしてたのかもわからんし。
ヤスイ:まったくわからん。金儲けなのか、何かの復讐なのか…。ジブリ作品は印象的な婆さんが出てくるけど、あんな不快なババアは初めてだ。まち針の剣でなます斬りにしてやればいいのに。
林 田:あとさー、半端に虫を擬人化してるのも頂けなかったな。黒目入れたりして。シーンの都合で擬人化の度合いが変わるのも違和感があるっつーか。片やアライグマなんか全然茶目っ気なかったやん。
ヤスイ:まぁ、そんなに虫をリアルに描かれてもなぁ。リアルなカマドウマとかゴキブリとか絡んできたら引くわ。
林 田:うーん。ポッドの話だけ聞くと虫だって小人にとっちゃ自然の脅威の一部のはずなんだけど、なんかあんなユーモラスに描かれちゃうとどっちやねんなって気持ちになるよ。モヤモヤするわ〜。
ヤスイ:細かいこと気にすんなよ! アリエッティが尿道にまち針を刺してるプレイだけ想像してればいいよ。
林 田:そんな想像強要すんな! まあいいや。次でいいや次!『十三人の刺客』
ヤスイ:面白かった。斬って斬って斬りまくるなう。
林 田:お、ナウいじゃん? その発言ふぁぼってもいいなう? リメイク元の映画を観てないから比較はできないけど。観た?
ヤスイ:はぁ? 何言ってんの? オリジナル作品でしょこれ。
林 田:工藤監督の、くっ…ええ? 何言ってんの。63年の映画のリメイクでしょうが。
ヤスイ:はぁ? ねぇよそんなの(ググりながら)。あ、コレね。はいはいはいはい。あ、コレのことかぁ。
林 田:思い出したみたいだな。で、まあ僕も観てないから何とも言えないんだけど、面白かったかな〜。
ヤスイ:アレだろー、観てないけど、アレね。まぁいいや。役所広司がんばってたねー。役所広司の部下に松方弘樹いたけど、なんか松方の方が偉そうだった。
林 田:あの人どういう立ち位置なんだろね。谷町?
ヤスイ:え、部下でしょ、役所広司の。
林 田:偉そうな部下だこと。あそこに集まった人らって敵も味方も基本的に「戦場を知らない武士たち」ってことなんでしょ。13人の合戦童貞。そう考えるとかわいいね。
ヤスイ:いやーワリと斬ってかもよ? 週末のアフター5とかに。軽く斬ってく?みたいな感覚で。辻斬りなう。
林 田:あ、またしてもナウい! イマい! 最初人を集め終わった段階で何度数え直しても12人なんで首捻ってたらすごい隠し玉が出てきてな。
ヤスイ:あの、山のな。岸部一徳の尻穴を掘るために仲間になったヤツ。掘られた岸部一徳が14人目の刺客になればよかったのになぁ。
林 田:あの後岸部出てこなかったな。大丈夫だろうか。誰も得しないシーンだった。気色悪い。
ヤスイ:好きな人もいるだろう。伊勢谷友介×岸部一徳。まぁ、三池監督らしいお下劣な笑いのシーンだよね。本格時代劇として観に来た老夫婦とか、どう思うんだろうなアレ。
林 田:回春効果があったんじゃない? っつかさ、あの岸辺の村もとんだとばっちりだよな。いきなり全員立ち退きで、戻って来ようにももう血の海焼け野原だし。エリン・ブロコビッチが見たら憤死するレベル。
ヤスイ:死体200体置き晒しだもんなぁ。後世で変な伝説ができそうだな。杉沢村とか八つ墓村みたいな。
林 田:村娘は犯されるしさ。いくら大義のためとは言え、やってること山賊と変わらん。
ヤスイ:村娘は合意の上だろ、多分。稲垣吾郎はどうだった?
林 田:『笑の大学』と真逆の立場で役所と殺し合ってるのが可笑しかった。こういう汚れ役をやるとこは好感がもてるね。SMAPの中でも。キムタクとか絶対やんなさそう。
ヤスイ:キムタクはやるよ! アイツはやる男だよ!
林 田:キムタクって「キムタク役」しかやんないじゃん。っつかなんで突然キムタク推しになってんの。
ヤスイ:褒めたら何かくれるかなーと思って。キムタクさん連絡待ってます。
林 田:一番くれなさそうなんだけど。くれるとしても、黙ってドアの外に置いていきそう。
ヤスイ:どうでもええわ、そんなん。稲垣吾郎は期待して無かったけど、結構良かった。なんか、キチガイボンボンってカンジがよく出てた。これからはキチガイボンボンは全部稲垣吾郎でいいよ。
林 田:市村正親の一騎打ちは役所さん、卑怯! 武士と武士道愛好家の違いが出たっていうか。
ヤスイ:なんだよその板垣恵介みたいな例え。市村正親はなんか、見てて可哀想だったなー。部下はボンクラ、主君はキチガイで、最悪の板挟みですよ。初っ端に腹切ったほうが楽だったよな。
林 田:自分がやってることの「正しくなさ」を自覚してる分可哀想だったな。あれはあれで武士の生き様なのかしら。
ヤスイ:やだねー、武士って。忠義とか言って。主君がどんなクズでも忠誠尽くすのがカッコいい武士なんでしょー? やってらんね。
林 田:ま、正直役所さんみたいな上司も嫌だけどな。いきなり正義に目覚めてお前らの命使い捨てにする宣言されてもさー。この太平の世に。
ヤスイ:え? としか言いようがないよね。そういうもんなの武士って? 上が死ねいうたら死ぬんすか? 多分、若い奴ら「途中どっかで抜けらんないかな」って思ってるよ、きっと。
林 田:あいにく参勤交代がど真ん中ルートでやってきたがな。あんな全力疾走の参勤交代初めて見たわ。
ヤスイ:あれさー、一箇所で待ち伏せてないでさぁ、道中で少しずつ手下を消していけば良かったのにね。国元に着くまで時間あるんだから。
林 田:いつのまにか人が減っていく世にも奇妙な参勤交代。怖いなあ。別の映画になっちゃうぞ。
ヤスイ:参勤交代の列の後ろの方から一人、また一人と消していく。明石藩に着く頃には吾郎ちゃんと市村正親の二人きりになってるという。
林 田:二人きりになるまで気づかないってのもすごいな。もはや参勤交代でもなんでもないぞそこまでいくと。交代だよ交代。
ヤスイ:言ってる意味がわからんが、まぁいいや。クライマックスの殺陣は迫力あって良かったね。
林 田:さすがの参勤交代と言えども狭い場所に押し込んで狙い撃ちされたら烏合の衆だったな。とてもとても参勤どころじゃなかった。
ヤスイ:参勤交代にこだわるなよ! そこはいいだろ!
林 田:300人対13人って大々的に銘打つんだったらさ、ピクミンみたく画面の右下あたりにそれぞれの人数メーターとかつけてくれりゃ良かったのにな。人死が出るたびにプルルルルってドラム式に減ってくの。
ヤスイ:バラエティ番組かよ! ワイプでビビる大木が笑ってんのな。台無しだよ!
林 田:三池さんならやってくれる! 続編に期待しようか。大殺陣は、サービス満点迫力満点だったなー。
ヤスイ:みんな、必死に剣を振り回して戦ってるってカンジなのに、松方弘樹だけ時代劇の殺陣ってカンジだったな。遠山の金さんみたいでカッコ良かった。
林 田:そうそう。なんか一人だけ日舞のお侍さんって感じで、死ぬ気配がしないんだよな。
ヤスイ:リアルな時代劇の中に『水戸黄門』とか『遠山の金さん』みたいなファンタジー時代劇の人物が紛れ込んでるみたいで、ちょっと浮いてたね、松方弘樹。初っ端の役所広司が釣りしてる横でカジキ釣り上げてればよかったのに。
林 田: 松方さん、また新記録〜。参勤交代の列に鯨用のモリとか撃ちこんでほしいな。
ヤスイ:一人ずつ釣り上げて倒せばよかったのにな、松方さん。
林 田:もう松方さんとしか見てねーじゃん。あの、カーディガン肩から羽織ってハンカチで汗拭いてる。「勇気を出して初めての告白」見て涙ぐんでんの。
ヤスイ:古いな副社長。松方さん以外あんま憶えてないねん。あいつ、電車男のヤツ。山田くん。
林 田:山田君といい松方さんといい、もともと濃い顔の方がちょんまげが映えるよな。なかなか堂に入ってた。
ヤスイ:伊原剛志がカッコ良かったな。寡黙な剣豪って感じで。
林 田:略してカモケンか。カモケンがチームに一人いると雰囲気がぐっとしまってくるよな。
ヤスイ:そこは略すなよ。カッコいいやんけー、THE・侍ってカンジで。もうええわ。
林 田:お次はスタローン最新作。『エクスペンダブルズ』。がっまんっがならに!
ヤスイ:いまっこそかかっげろ〜! 良かったねー、長渕。
林 田:エンドロールで余韻に浸ってたら急に日本語の歌が流れてびっくりしちゃったよ。とても『巡恋歌』歌ってた人とは思えん。
ヤスイ:『乾杯』歌ってた人とは思えないねー。あれ本家アメリカでも流れればいいのにな。
林 田:やっぱ志穂美悦子が彼を変えたのかな。
ヤスイ:主演ドラマの影響で途中からヤクザっぽいイメージになっちゃったからねー、あの人。
林 田:で、映画の話だけど、同窓会的な楽しい映画だったね。もはや面白いとかつまらないとかじゃない、というか。
ヤスイ:お祭り映画だよねー。『ジェイソンvsフレディ』と似たような趣きの。「ボクの考えたアクション映画」みたいな。
林 田:スタローンとー、シュワルツェネッガーとー、ブルース・ウィリスとー、みたいなメンツが全部揃ってるもんな。オールアクションスター大進撃。
ヤスイ:こんだけ揃うとジェット・リーが名実ともに小者に見えちゃうもんなー。やっぱジャッキークラスじゃないと。
林 田:続編では是非出て欲しいよな。ジャッキー。
ヤスイ:チームの中で、黒人のヤツだけどこの馬の骨とも分からんヤツだったな。一人だけ格が違いすぎるというか。黒人枠が必要とは言え、もうちょっとネームバリューのある黒人使って欲しかったよ。カール・ウェザースとか。
林 田:最初はウェズリー・スナイプス枠だったらしいよ。
ヤスイ:どっから連れてきたんだよあの黒人。名前も憶えてないよ。そのくせ一番活躍してたような気がするな、アイツ。
林 田:そんなにアイツに辛くあたることないじゃん。ま、黒人なんて誰が出ても似たようなもんだ。
ヤスイ:あのメンツに囲まれるとジェット・リーが小さすぎて哀れだったよ。遠近法とかで大きく撮って欲しかったな。
林 田:ホビットじゃないんだから。背が小さいのをネタにされてたね。ドルフ・ラングレンと身長差どんだけあるんだよ。勝ち目なさすぎる。
ヤスイ:次回作はジャッキーとジェット・リーで肩車して出てくればいいよ。
林 田:しかしあのドルフ・ラングレン、ただ生き返るだけの人なのな。「からの〜?」がないっつーか。
ヤスイ:あの取ってつけたようなラストはなんだったんだろうな。ドルフ・ラングレンがゴネたんじゃねぇか? オレも次回作出たいから生きてることにしろって。
林 田:あんな見境のないヤク中生きててくれてもやだよ。いつクスリが切れて大暴れするかわからんし。敵にまわすと恐ろしいが、さりとて安易に味方にしとくのもはばかられる困ったちゃん。
ヤスイ:厄介の種でしかないよな、あんなの。獅子身中の虫だよ。レッドスコルピオンだよ。
林 田:まあ、レッドスコルピオンだけど。最初スタローンとジェイソン・ステイサムが敵地にバードウォッチングしに来た人のふりして潜入するじゃん。全然そう見えない上に、偵察する気なかったみたいね。
ヤスイ:出落ちだよな、アレ。あんな不穏なオーラを纏った自然保護団体がいるか。しかも二人で偵察に来たとかいって50人くらい殺して帰ってったからなぁ。官邸爆撃して帰りゃ良かったのに。
林 田:そうすりゃ人質とられるようなややこしい状況にもなんなかったのに。計画性がないねー。
ヤスイ:まぁ、計画性は無いだろうなぁ、あのメンツなら。とりあえず、殺してから考えよう。
林 田:殺してみよう。殺せばわかるさ。なぜか誰も肌を露出しないのが不思議だったな。
ヤスイ:ムキムキマッチョを見たかったのにねー。何のために鍛えてるんだよオマエラ!
林 田:鍛えてない人との差が出ちゃうからかね。そういや最後の官邸襲撃でさ、すでに潜入してるところから始まるのが可笑しかったな。やっぱ偵察いらんやん。
ヤスイ:飛行機で飛んで、次のシーンでもう潜入完了してたからねー。ディレクターズカットとかで追加されるんじゃないの? あいつら全員集合した状態で税関で「自然保護団体のものです」って入国してきたら面白いのにな。
林 田:それしかやり方知らんのか! バカっぽくていいな。あとさ、プラスチック爆弾をたくさん仕掛けるところで、仕掛け方がだんだん大雑把になってくのな。
ヤスイ:走りながら適当にペタペタ貼ったり、ジャンプして貼ったりな。大雑把もいいとこだよアイツら。ていうかあの爆発で人質死んでたらどうすんだよー。
林 田:逃げた逃げたドーン!って。巻き込まれて死んでもおかしくないタイミングでさ。がさつだな〜。本来どういう計画だったのか見当がつかんし。
ヤスイ:人質助ける言うてんのになぁ。人質がいるトコ爆弾仕掛けまくって本末転倒だよな。それが俺たち、エクスペンタブルズ!
林 田:ペンダブルズの連中は「どう殺すか」って違いだけっていうか。もうちょっとこう、「人を一度にたくさん殺せます」以外の特技もってるやつが欲しかったな。
ヤスイ:機械に強いヤツとか、運転技術に長けたヤツとかなー。プロファイリングの達人とかな。「犯人は30代〜40代の白人男性、中肉中背。被害者を殺してから運搬していることからバンを所有している。色は黒。でも殺す」みたいな。
林 田:お前らがプロファイリングされるべきやんっていう。あと、やっぱペンダブルズに比べると明らかに敵が力不足というか。しかしこのメンツに比肩しうるやつっていうと、もうエイリアンとかの地球外生命体しかないような。それか手間のかかる幼稚園児たち。次回作でもはやそっち路線だったら笑うなあ。全員が保父さん。
ヤスイ:全員の双子が出てきたりな。あとお母さんが上京してきて世話するとか。スタローンが妊娠したりな。
林 田:そういうところまでトレースしてほしいな。アクション俳優のダメになるパターン。
ヤスイ:で、若い俳優に箔をつけるために悪役で出演するのな。パート50くらいまで続いてほしいな。寅さんの記録抜いて欲しい。
林 田:グダグダもいいとこだ。その頃になると筋肉バトルのノリで諸星くんとか出てそうだ。
ヤスイ:ケイン・コスギが主役になってそうだな。あと照英とか。全員日本人キャストになってたら面白い。
林 田:それでこそエクスペンダブルの正しいあり方だな。よし、次は『マチェーテ』だ。馬鹿な映画を連続で観たねー。平均IQ20ぐらい。
ヤスイ:「とりあえず殺せ」って映画だよな。隣のスクリーンでやってたプリキュアが眩しかったよ。でも面白かった。
林 田:『プラネットテラー』のフェイクの予告編映像が律儀にちゃんと活かされてるのが良かったね。
ヤスイ:まさかホントにやるとは思わなかったけどなー。前情報調べずに観たけど意外な俳優が意外な配役で出てて良かった。
林 田:そういう主役級の豪華な脇役がダニートレホを盛り立ててる雰囲気がほのぼのしてた、気がする。
ヤスイ:ほのぼのしてたかなー。でもマチェーテのために周りがせっせと悪事働いたり、助けてくれたり、マチェーテ特に何もしなくても事件が進行してくれてる感はあったな。
林 田:マチェーテは場当たり的に雑魚キャラをぶっ殺して回ってただけだし。重要な敵は私利私欲で勝手に自滅していくという。アメリカの恥部を凝縮したような人間模様だった。
ヤスイ:ドラッグに移民問題に人種差別に…って、まぁ分かりやすいよね。とにかくナタで殺しときゃいいんだよ。細けぇこたぁいいんだよ!
林 田:脇役にも妙に味があって良かった。ボイン看護婦二人組とか、双子の女修理工とか。ドジな見張りとか。
ヤスイ:デニーロはともかくとして、本来善玉しか演じないようなセガールとかドン・ジョンソンとかが悪役ってのが面白かったな。セガールはまぁ、何やってもセガールにしか見えないが。
林 田:セガールは見かけるたびに少しずつデカくなってくような。あと、死ぬときも偉そうだった。死ぬ演技じゃないだろ、アレ。
ヤスイ:だいたい、セガールが死ぬ映画なんてめったに無いからさー、死ぬ演技とか想像できないし。『エグゼクティブ・デシジョン』は空中で吹っ飛んでっただけで、死ぬシーンは無いからなー。
林 田:海に落ちてからアメリカまで普通に泳ぎ帰ってるかもしれん。
ヤスイ:そんなセガールの死ぬシーンが見れる貴重な作品ですよー皆さん! 見逃していいんですかーっ!?
林 田:ダニートレホさんは、演技あんまりしてなかったね。常に棒立ちで無表情。
ヤスイ:トレホさん顔力すごすぎ。あんな人が街歩いてたらとりあえず通報するわー。
林 田:何顔とも言えない分類なんだよなあ。アシュラ面トレホ! みたいな。満点パパに出てたら三波伸介が似顔絵描いてる途中で小刻みに震えだすだろうな。
ヤスイ:あんなすごい顔だとちょっとした犯罪も犯せないよな。一度見たら忘れられないもん、あの顔。だから前科あるのか、あの人。
林 田:ほとんど顔力だけでここまで上り詰めたんだもん。すごいよ。
ヤスイ:でもお父さんがダニー・トレホだったらイヤだなー。授業参観のプリントとか見せんわー。
林 田:反抗期になっても反抗できんわ。殴り殺されそう。彼女の両親に挨拶に行って出てきたら、号泣して土下座するレベル。
ヤスイ:お義父さんって呼べないよー。何か悪い仕事手伝わされそうだよなぁ。
林 田:法事のたびに顔合わせなきゃいけないんでしょ。辛いなあ。
ヤスイ:まぁでも、絶対に学校でいじめられなくなるよなー。社会人になっても、何もしないで出世しそうだよなー。
林 田:次は『プレデターズ』か。今度は戦争だ! エイドリアン(ブロディ)VSプレデターが実現!
ヤスイ:マンガっぽくて面白かった。地球人最強チームvsプレデター!
林 田:集められる地球人がみんなキャラが立ってたな。日本刀だのスナイパーライフルだの。
ヤスイ:ヤクザの人、ちゃんと見せ場あったな。『1』のインディアンみたいなかませ犬扱いじゃなくて良かったよ。
林 田:ちゃんと決闘してたな。ヤクザ勝つか? プレデター勝つか?
ヤスイ:まさかタイマンで相打ちに持ち込むとは思わなかったよ。ヤクザすげぇ。日本の誇りや。ヤクザとサムライとニンジャがいる限り日本は大丈夫だ。
林 田:自衛隊もがんばれ〜。エイドリアン・ブロディが意外にさまになってたよな。キャスティングだけ聞いたときはどうなるかと思ったが。
ヤスイ:戦場のピアニストとか、ヴィレッジとか、優男の印象が強いからなエイドリアン。
林 田:途中で出てきた人類以外のエイリアンいたやん。わーって走ってくる灰色のやつ。あいつちょっと可哀相だったな。丸腰なの。
ヤスイ:あいつなんで追いかけてきたんだろうなぁ。ひょっとしたら、友好的に近寄ってきただけかもしれないのに。わーって。
林 田:心細かったよ〜って。仲間もいなかったみたいだし。ありえる。
ヤスイ:ローレンス・フィッシュバーンは何がしたかったんだ? わざわざ隠れ家に案内して、そこで焼き殺そうとしたの? 支離滅裂。
林 田:人格が分裂してたからでしょ? 隠れ家でしか発現しない人格が暴走したんだよきっと。
ヤスイ:ははー、なるほどねー。いるか? その設定。素直に共闘してたほうが面白かったちゃうんか?
林 田:ちょっとひねりすぎだよな。なんでそうなるのっていう。
ヤスイ:あの殺人医師さぁ、地球では殺人鬼としてバレずに暗躍してたんでしょ? プレデターさんはよく見抜いて連れてきたよな。殺人エリートを見抜く能力みたいなのがあるのかね。
林 田:密かに人類を監視してるんだろか。そこまで人類のこと知ってるようには見えないんだけど。
ヤスイ:なんだかんだで長年人類と戦ってるからなぁ。意外と地球人のこと好きなのかも知れんね、プレデターさん。
林 田:好敵手と書いてライバルなんだな。しっかし前作までのプレデターってプレデター界では下っ端の方に属する小型の種族だったのね。ショッキング。
ヤスイ:あいつらの世界にヒエラルキーがあったとは…。カカロットとベジータみたいな関係なのかね。下級戦士を地球に送り込んでダメだったから、上のヤツがやってきたんだよ。ナッパ級のヤツが。
林 田:まだその段階ってことか。どんだけシリーズ積み重ねりゃサイバイマン出てくんだよ。しまいにゃスーパープレデターとか出て来そう。
ヤスイ:あのドレッドヘアーみたいなのが金色になるのな。どうすんだよ地球人。
林 田:プレデターはいざってときに油断して透明解除してくれるから、そこが狙い目と見た。
ヤスイ:プレデター犬も出てきたな。あの強面のプレデターさんが犬に餌を与えて散歩とかしてる姿を想像すると微笑ましいな。日曜の公園で同じく犬の散歩してるプレデターと道ですれ違って会釈したりすんのな。
林 田:座敷プレデター犬とか盲導プレデター犬とかがいるんだろな。ソフトバンクのお父さんプレデター犬とか。
ヤスイ:忠プレデター犬ハチ公とか101匹プレデター犬とか。
林 田:フランダースのプレデター犬。それだけでスピンオフ作れんじゃん。次回作はその方向でぜひ。
ヤスイ:次、『ナイト&デイ』! トムが!
林 田:キャメロンと! くんずほぐれつやっとりまったな。
ヤスイ:そんなに期待せずに観たんだけど、予想以上に面白かった。何も考えないで見れる気軽なアクションコメディってカンジで。
林 田:最近そういうの少ないからな。トムが「オレといれば生存率がこんだけ上がる」って力説してたけどさ、それはトムの実力というよりも単に運が良かっただけって場面がかなりあった気がする。飛んできた車がたまたまそれたから助かったとか。墜落したところがたまたまだだっぴろい畑だったりとか。
ヤスイ:そこがトムのエージェント能力やないか。
林 田:そこまでいくとスタンド能力だよ! あとさ、トムがときどき携帯端末で監視カメラの映像チェックしてたでしょ。親の家? あれはなんなの? 孝行者アピール? 深イイ話?
ヤスイ:スパイとかやってるけど、実は、親思いの良い子なんですよーっていうアピールだよ。あれでキャメロン・ディアス濡れたし。
林 田:そんなシーンあったっけ。ショートコント「指差し濡れ確認」みたいな。親孝行アピールだけにちょっと時間割きすぎだな。
ヤスイ:親孝行したい時には親は無し、って言うぜ? 親孝行しろよ。
林 田:さればとて、墓に布団はかけられず……か。しかし親孝行アピールするスパイってのも珍しいよな。普通のエスピオナージじゃまず無い描写だから戸惑ってしまった。
ヤスイ:スパイに最も要らない資質だもんな、親孝行スキル。強くてかっこよくて親孝行なトム・クルーズ。完璧超人じゃないか。
林 田:な〜んかね〜。親の影がちらつくエージェントって。画面の隅で常に活躍ビデオを実家で見守る親御さんの映像が流れてたらどんなにかっこよくてもヤだよ。濡れねえよ。
ヤスイ:お母さんが父親の遺影持って「頑張れ! 頑張れ!」って言ってんの。
林 田:何故か妙に年が離れすぎてる弟や妹がまわりで騒いでんのな。やっぱりスパイに生活感はいらない。
ヤスイ:まぁコメディですから。トム・クルーズの完璧超人ぷりが楽しかったな。ホント、はまり役ってカンジで。
林 田:不思議とトムなら嫌味にもうそ臭くもならないんだね。これがスーパーセレブの人徳ってやつかい。
ヤスイ:おい見ろよ! トムクルーズの年齢調べようとしてググったら、トムの本名「トーマス・クルーズ・メイポーザー4世」っていうらしいぜ?
林 田:ええ!? ニセ筋肉マンか?
ヤスイ:それマリポーサな。どうでもいい豆知識が増えたな。とにかく、主役がトム・クルーズじゃなかったらダメだったろうな、この作品。
林 田:ベン・アフレックとかだったら「オレと一緒ならこれぐらい」のシーンで席蹴って立つわ。
ヤスイ:キャメロン・ディアスもよかったな。夢見るアラフォー女子ってカンジでハマってたわー。
林 田:あれ。キャメロンってオレと同級生じゃん。急にライバル意識が出てきた。
ヤスイ:向こうも意識してるかもよ? 西のキャメロン・東の林田、ってね。
林 田:そんな標語みたいになってんのかよ。「尾張名古屋は城でもつ」みたいな。こりゃうかうかしてられんぜ。映画の話に戻るけど、キャメロンに言い寄ってた消防士のあんちゃんの変わり身の早さが可笑しかったな。妹の結婚式にもう新しい彼女これみよがしに連れて来やがって。どういう神経してんだか。
ヤスイ:どうでもいいとこに注目してるなぁーキミは。まぁ、これといって特筆するべきところも無いんだけど、とにかく華やかで面白かった。正月に見たいね。
林 田:そうそう。こういうのがかかってると正月が来たって感じがするんだけどね。去年なんか元旦早々に辛気臭い『パブリックエネミーズ』だぞ。
ヤスイ:オレなんか『フォースカインド』だぞ。新年早々。罰ゲームかよ。もっとお屠蘇気分で楽しめる大作が観たいよ、正月は。
林 田:時代が変わってしまったんだね〜。次は『トロン:レガシー』。まあ、面白くなくは無かったかな。
ヤスイ:なんでやねん! すっごい面白かったよ!! 文句なしで五つ☆だよ。
林 田:そこまでかよ! 無菌室で育ったようなパフュームっぽい世界観っていうか。そういう人工的な雰囲気が好きなのか?
ヤスイ:いや、普通に映像がすごいなーと思ったけど。あのマトリックスを超えた! 映像衝撃! みたいな。元々、それほど期待してなかったから、その反動ってのもある。
林 田:オレはまた、てっきり隣で見てるヤスイが鑑賞後につまんねーって言い出すんだろうなと、薦めた手前申し訳なく思いながら半分寝てたよ。
ヤスイ:寝てたのかよ! 謝れよ! パフュームに。
林 田:よし。ついでにふかわりょう&コスメティックスにも謝っとく。映像にひかれたわけね。はい映像映像っと。
ヤスイ:なんなのこの温度差。何が不満だったのさ?
林 田:不満じゃないけど、正直そこまで面白くはなかったぜ〜。ゲーム映像は面白かった。バイクとかフリスビーとか。
ヤスイ:バイクとフリスビーしか観てないのか! 犬か!
林 田:バイクかっこよかったね。スピード感があって。
ヤスイ:今年一番おざなりだな! なに? ボクが壮大な映像表現に感動してる横で、その程度の感想しか浮かばなかったのキミは!? まいっちゃうなー。
林 田:スピード感あったやろが!
ヤスイ:まぁ、ありましたよ、たしかにスピード感すごかったですけど。
林 田:ああ! そうだそうだ。着替えのシーンも良かったね。4人の女がよってたかって脱衣さしますイノベーション。
ヤスイ:主人公、なんであんな強かったんだろうな。初見のゲームなのに伝説の戦士みたいなヤツとも良い勝負してたし。
林 田:バイクはともかくフリスビーが強いってのは……あ! 犬飼ってたな。それだ!
ヤスイ:あんな小型犬相手にフリスビー投げつけてたのかよ! 鬼畜じゃねぇか。
林 田:まあなんだ。「ユーザー」ってのはそれだけ特別な存在なんだろうよ。僕らに置き換えても、簡単なゲームだとちょっとやったら敵の動き読めたりするし。
ヤスイ:結構ちょろい世界だな、グリッド。ウメハラ送り込めば簡単に制圧できそうだな。
林 田:まあアレですよ。予測できない人間の気まぐれ攻撃で煙噴出すウォーズマン想像してもらうとわかりやすい。
ヤスイ:わかりにくいわ! ウォーズマンひげ剃ってたぞ、昔。どうでもいいけど。
林 田:あの豚の丸焼きはなに。どっから出てきた。
ヤスイ:そりゃデジタル世界ですからー。なんでも出てきますわなー。あのさー、キャスターだっけ? 杖持ってたデビッド・ボウイみたいなヤツ。あいつが『マトリックス』のメロビンジアンと被ったわー。
林 田:敵か味方か。灰色の勢力ね。確かに似てる。ナオンはべらしてるところとか。
ヤスイ:そういやグリッドの外では奴らのバイクは使えないとか言ってたけど、後半で普通に空飛んでたよな。どういう理屈だ。
林 田:もしかしたら地面に接してるの限定で駄目ってことなのかも。だからって最初に追いかけてこなかった理由にはなんないけど。あとさ、お父ちゃんの隠れ家近すぎね? 街見えてるし。
ヤスイ:あ、息子をグリッドに呼び寄せて、父親のところに行かせるためにわざと泳がせたのかな?
林 田:それだ! だからクルーの計画は9割9分成りかけてたんだな。そこにイレギュラーなISOのナオンが加わることで破綻したけど。
ヤスイ:あいつラストで実体化したけど、すごい技術だよな。電脳世界の萌えキャラが実体化できる夢のシステムだよ。そりゃ親父も夜な夜な出かけて帰ってこなくなるよ。
林 田:親父が宗教も哲学も全部ひっくり返るって興奮してたのはそういうわけだったのね。な〜んか『攻殻機動隊』と似てるよな。パクリとまでは言わないけどさー。
ヤスイ:逆逆! 『トロン』が元ですから!
林 田:さて、コマも出揃ったことだし、今年の映画大賞を決めますか。各自見た映画でこれはと思う3作品を挙げてください。私は『トイ・ストーリー3』『第9地区』『アウトレイジ』かな。あとDVDで観た『魔法にかけられて』が実は一番面白かったりする。
ヤスイ『トロン』『第9地区』『13人の刺客』かなー。でも実際一番心揺さぶられたのは『涼宮ハルヒの消失』だと覚えておいて欲しい。
林 田:スズ……なに? あ〜、アレね。
ヤスイ:なんていうかね、今年アレを観てないなんて…ボクとしては考えられないけど、まぁ、林田さんの自由だから仕方ないよね。皆さん笑わないであげてね。
林 田:言っとくけど話は知ってるからな。パラレルワールドのやつだろ。
ヤスイ:まぁええわ、それでは大賞を決定したいと思います!
林 田:集計が完了したようです! 得票数2票の『第9地区』に決定しました!
ヤスイ:もう得票数2票とか、満票ですよ!? 前代未聞! 文句なしの受賞ですね。
林 田:栄えある大賞作品には副賞として猫缶一年分を進呈したい気持ちでいっぱいです。
ヤスイ:監督のニール・ブロムカンプには『20世紀少年』のリメイク化交渉権を与えます。頑張って!
林 田:え〜、それでは引き続いて本年度の最低作品賞を決定したいと思います。私の候補作品は『運命のボタン』『借りぐらしのアリエッティ』『ラブリーボーン』ですね。『ラブリーボーン』は期待との落差が大きすぎた。残念。
ヤスイ:ボクは『フォースカインド』『バイオハザード4』『ソフィーの復讐』かな。まぁ、『ソフィーの復讐』は女性視点のオサレなラブコメというジャンルが嫌いなので風評被害かも知れんが。
林 田:では今年の最低作品賞の発表です。審査員の合議により、最低作品賞に決まったのは、『シャッターアイランド』
ヤスイ:満場一致で決定です! 『シャッターアイランド』、2010年最低糞ビッチ下げマン賞授賞おめでとうございます!
林 田:とにかく長かったのと、予告の煽り方がアンフェアだったのと、オチが酷い。諸々の条件が揃っての受賞となりました。監督のスコセッシさんに今国際電話で……もしもし? スコセッシさん? もしもし! ちょっと回線の具合が芳しくないようですね。
ヤスイ:ヘイ、マーティン! あんたの映画つまんなかったよ! 
林 田:マスかくのに忙しいのかな? 次回作では両手で撮ってくれよ! では続きまして今年のベーコン賞の発表です。この賞は、年間を通じて最もケビン・ベーコンっぽかった俳優に与えられる特別賞です。
ヤスイ:んー今年は不作でしたね。これといってケビン・ベーコン的な作品も見当たらず。
ベー 林 田:強いて言えば『トロン:レガシー』の主役がケビン・ベーコンっぽかった気がする。顔が。
ヤスイ:そうかー? そんなに似てたかなぁ。なんて俳優だったっけか…。ギャレット・ヘドランドか。
林 田:え〜と、なになに? ええ!? この人『狼の死刑宣告』にも出てるよ!
ヤスイ:え!? まさか去年ケビン・ベーコン賞を総ナメしてウォークオブフェームに名を刻んだ、あの『狼の死刑宣告』ですか!?
林 田:これは天命のようなものを感じますよ。与えなきゃ! ヤスイさん絶対与えなきゃコイツに! 「天の与うるに取らずんば、反ってその咎を受く」って言うし、彼も文句はないでしょう。
ヤスイ:おめでとう、ギャレット・ヘドランド あ、ギャレット・ヘドランドさんのお母さんと電話がつながったようです。お母さん、立派な息子さんですねぇ! お母さん? もしもし、お母さん? 回線が混み合ってる模様です。
林 田:どういう教育方針だったか聞きたかったんですけどね。ではギャレット・ヘドランドさんには極東映画連合(AFEAM)から名誉ある「Ber」の称号を与えます。ベーコンのベー。
ヤスイ:ありがとう、ベー・ギャレット・ヘドランドさん。今後の活躍に期待してます。
林 田:それでは最後に今年の総括を。
ヤスイ:まぁ、どんな大作映画でも長門の可愛さに比べればウンコですわ。
林 田:長門ってオシドリ夫婦の?



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