HOLLYWOOD DIARY
2004
8がつ後半の日記



8月16日「次期ジェームズ・ボンドのオーディション・その1 」

 月にかわってチェケラッチョ! セーラー黒点ことサミュエルだHO!
 嫌な夢を見たよ。何物かに生きたまま頭ガジガジかじられてんの。ありえねー!
 で、起きたらトカげの雪之丞に頭かじられてたんだけどさ。え〜と。なんだっけ? 今日は重要なスケジュールがあったような。
 そうだ! 思い出した!!
 次期ジェームズ・ボンドのオーディションが今日だったってド忘れしててさ。あわてて履歴書書いたサ。え〜と、職歴はハリウッドスターで……免許・資格は……めんきょのめんの字って面接の面でいいんだっけ? もうひらがなでいいや。希望職種は……スパイで、残業不可っと。志望動機は。う〜ん。……あ! かじられた頭から血がしたたった! ティッシュ、ティッシュって、もう時間だYO! 髭そり忘れてるyoジェームズ・ボンドのクセに!
 慌てて洗面所に飛び込んで半分剃り終わったところでカミソリで頬を十文字に切っちゃってさ。ひでぶっ!
 イデデデデ! また血!! 興奮したら頭からも血!!! 
 ティシュッ! ティシュッ!
 ピンポ〜ン。ピンポンピンポ〜ン!!!
 運悪く宅急便が来やがんの。
 おい、ちょっ、まってくださ〜い! ちょっと血がね!? 血が!!
 完全にパニクッて頭と頬から血をボトボト滴らせながら片手にカミソリ、片手に食器棚の印鑑と間違えて持ってったサラダ用フォークで玄関に走ってったら配送の人が「ヒッ!」とかうめいて逃げ出したからそのままの恰好(下半身にバスタオル)で通りの端まで追っかけたら走って来た警官に取り押さえられたよ。
違うんですって! 履歴書書いてたら髭そりわすれてて宅急便来てアミノ酸ド〜ン!!……わかるだろ??
 結局さんざんしぼられてから後半血文字の履歴書と半分剃りかけの顔で面接に出かけるはめになっちまったい。エ〜イ、ままよ!
 次回、詰むや詰まざるや!?(つづく)


8月18日「次期ジェームズ・ボンドのオーディション・完結編」

 セレブラック(セレビッチに対抗)ことサミュエル・L・ジャクソンの日記だっちゅーの!!
 おとといの続きでい。
 あわてて額と頬っぺたにバンソーコーはっつけて面接会場に飛び込んだらさ、試験官がこっちのツラ見た途端
「ハイ不採用です。しかし別の映画のオーディションもありますのでやる気があるなら廊下のつきあたりの部屋で採用試験を受けてください」
 だって。別の映画? まあ、こういうこともあるさ。大人しく指示された部屋に移動すると天井の真ん中あたりから紐が伸びてて、先にバナナの房が吊るされてんのね。部屋の隅にパイプ椅子と角材がいくつか転がってて、その脇に立ってる冴えないキモオタ君ふうのデブが
「では、さっそくそこのバナナを1分以内に紐から取ってください」
 だって。もう頭に来たね。
 ふざけんな! 持ってた履歴書丸めてデブの顔に放り投げてから拾ったさ。
「Hey! ちょっと待って下さいデブ。私しゃ有名なMovie Star。痩せても枯れてもバナナなんかで仕事するサミュエル・L・ジャクソンじゃねーぜ」
 って。もっとカレーパンとか持って来い。張り倒してやったよ。デブ、顔面蒼白。他のやつからピージャクって呼ばれてたみたいだけど、聞いたこともない名前だよ。どーせしょーもない自主フィルムでも作るつもりだったんだろな。こっちから願い下げでい!!!
 トボトボと帰り道。やけに足の裏が熱いと思ったら靴を履き忘れてんのに気づいたオレ、1人失笑。スーツに裸足のボンドかYO! そりゃ落ちるわな! HEHEHE...ひとしきり力なく笑ったら、改めていろんな疑問が胸をよぎったね。やっぱオレはハリウッドスターに向いてない? 別の映画って何だったんだろ? どうやってあんな高い所にあるバナナとんのさ?


8月19日「ボンジョビはなぜ……?(ミステリー編)」

 ♪マーチッタカチッタカタ更新だ〜
 今日も今日とてサミュエルだYO! 
 うちの地下室はちょとしたカレー粉貯蔵庫になっててね。
オレがブレンドしたいろんな特製カレー粉の壷が置いてあんの。目がヒリヒリするようなカレーの香りが立ち込めてる魅惑の空間さ。入って5分もしたら臭気が衣服にしみついてしばらくとれなくなるぐらい。オレももう55になるし「カレー臭」には気をつけないと、ってか? HAHAHA!!
 ところがそのカレー倉の扉が開かなくなっちまったんだ。昨日の夜まではなんともなかったのに。
 …待てよ?
 わかった、わかった。そう言えば今日地震があったんだっけ。そんときに落とし戸がゆがんだんだろな。
 あの地震は、たしかボンジョビとかくれんぼしてる最中だったなあ。オレがオニで。
「100数えるぞー? 1、2・・・もういいかーい?」
「まだ!」
「3・・・・・チェケラッチョ?」
「まーだだよ」
「3と1、3と2、3と3・・・カミナッチャ?」
「まだーーーーーー」
「はやくしやがれ! このボートピープルがっ!! よーし、あと3だけ待ってやる。3、2……」
 そこでグラグラッと来たから慌てて庭に出たらちょうど3日前の宅配便のにいちゃんが来たところでさ。
「お届け物でーす!」
「いま地震あったよな?」
 そのお届け物ってのが開けてビックリ。なんだったと思う? スパイに変装してパーティの人気者になれる「ボンドセット」さ。オーディションで使う予定だったのに、もう遅いっての!!
 まったく。仕方ないから変装してボンジョビ驚かしてやろうと思ってさっきから探してんだけど家中歩き回っても見つからないんだよな。どこ行ったんだろ?


8月20日「ビバ! ラスベガス!!」


 ヤッポ★ ホロ酔い加減でザッツワチャドゥ。サミュエルだ。 今日は撮影でラスベガスに来てるよ。出張ってところかい? 毎度思うんだが看板とかまぶし過ぎ! ボンジョビにも見せたかったぜ。本当だったら今日連れて来る予定だったのに昨日の夕方行きがけに部屋の前でいくら呼んでも返事ねェの。もう時間だからほっといて出てきたって話。まあ、女房がうまいこといなしてるはずさ。
 ほんじゃこれから演技の参考にするために穴の開くほどトックリとダンサー眺めてくらぁ。ガハハ。女房にはナイショだJO? みんなも良い週末を★
 それにしてもこの高揚感。ナムを思い出すなァ。

 ヒーーーーーー!
 ハーーーーーーーーー!!!


8月21日「ボンジョビはなぜ……?(解決編)」

 ッチャ! ッチャ! ハーマタ〜イム!!
 ……なんつってハマーじゃないよ、アヒルだよ。アヒルじゃないよ、ニガーだよ。ニガーじゃないよ、サミュちゃんだよ。  いやはや、今日は大騒ぎだったYO!
 ベガスで稼いだあぶく銭でカレー味の燻製スティックとミントのチャツネをしこたま買い込んで夕方頃帰ったんだ。
「ただいま〜、いやー講演会が長引いてSA!」
「おかえりアル。……アンタ、ボンジョビ何処!?」
「んが? 家に置いて出かけ……なにわ!! らぎゃあ!!
 イダダダダ。スペースローリングエルボーからフェイスクラッシャーくらっちまったい。そりゃ連絡しなかったのは悪かったケド。
 どうやら木曜の夕方一緒に遊んだ後、オレが旅支度してる最中に行方をくらましたみたいだな。夕飯にはもういなかったらしいから。女房は女房でオレが連れてったもんだと思い込んでたってワケ。前にも何度か

ノーモアカレー。

 とだけ書置きして家出したことはあったんだよね。さぁ大変だ。警察へ通報しようか迷ってるときに、地獄のうめき声のようなものが聞こえてきた。どうやらカレー粉貯蔵室からみたいだな。人の声のようにも聞こえるけど……まさか!?
「オイ、みんな下がってろ」
 悪いことは重なるもんだね。ポルターガイスト現象だよ。間違いない。
 超自然的な力で歪んでた落とし戸をバールでこじ開けると、十字架とバケツ持参で慎重に階段を下りた。もしかしたらめさんこ水に弱い宇宙人かもしんねェだろ?
 OH! GOD! 地下室はまるで野戦病院さながら。グチャグチャに荒らされてるじゃないの。そこら中で壷や瓶がひっくり返ってやがる。
 とりあえずうめき声のする方に怒鳴ったね。
YAIYAIYAIYAI! そこの壷の影のやつ! 人んちのカレー庫をグランドゼロっぽく空間コーディネートしちまうたぁいい度胸じゃねぇか! よ〜し。10数えるうちに出てこないと聖水ぶっかけてやる。怖いだろ? 聖水だぞ? 1、2、3、そして10!!」
 ぶっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!! ベトコンがよく使う奇襲戦法さ。勇んで飛び込んでみると、溶けかかったドロッドロのカレー粉の山に埋もれて何者かの輪郭が!!!
「父と子と精霊の御名において、ここで何してやがる!?」
「カ、カレー……」
 気絶した。なんだよ。ただのこそ泥かよ。金庫に向かってトンネルでも掘ってたとか? カレー粉の塊から引っこ抜いてみると、意外にちっこくてガリガリなやつだぞ。もしやピグミー族……いや、絶滅寸前のアボリジニー……ってか、むしろ正統なるジャクソン家の末弟・ボンジョビその人!?
 まったく、人騒がせなコワレ系だぜ。そのままシャワーで洗って寝かしつけたけどね。なんだってあんなとこでワンマンショー繰り広げたんだか。きっとベガスに連れてかなかった腹いせのつもりなんだろな。なんなんだよ、その貧民根性は。お前のリアルはどこいった? 起きたらトックリお灸をすえてやる。
 ……と思ったけど、本当はそんなに腹立ててるわけじゃないんだよ、うん。ボンジョビ消失トリック&ポルターガイスト騒動が一挙に解決したわけで、結果オーライってとこかい? 
 よし。今からカレー味の燻製スティック持ってってソ〜ッと口腔にねじり込んでやろ。ビックリするぞぅ。


8月22日「黒腕看病記」

 SAY HO!
 ……声が小さい!
 SAY HO!
 ……もういっちょ
 SAY HOHOHO!
 しぃ〜〜〜っ!!
 サミュエル日記しゅっぱぁ〜つ!!
 ボンジョビがまだ療養中なんでベッドの脇で遊んでやった。「ウォーリーをさがせ」って絵本があるんだけどさ、もうどこにウォーリーがいるかボンジョビ覚えちゃってるんで、オレが考えた「小松さんを探せ」って遊びをしたよ。
 まず、オレが絵の中から小松さんを決める。うん、こいつなんか小松っぽいぞ。
 よし、お前の度量で当ててみろ。
「これ?」
「ブー! それはウォーリーだろ。小松さんを探すの」
「どんな人?」
「意外にケチ」
「この人?」
「ブッブー」
「こっちの人!」
「ブー! 惜しいけど」
「これ!」
「全然違う。よく見なよ」
「わからないよ」
「小松だぜ?」
「わからない。もう寝る」
 意外に長続きしなかったな。根気ないね。シナモンバー添えたカレー粥をそっと枕元に置いて出てきたよ。


8月23日「今朝は夜までパーティ・ナイト!?」

 今日はベッドでしょぼくれてるボンジョビの為に早朝ビックリパーティーを企画したんだ。
 ハリウッド仲間を2人連れて来て、寝てるボンジョビの枕元にコンポ持ってって大迫力のウーハーでイントロを鳴り響かせた。
 2人のビッグショーのはじまりさ。用意はいいかい?

「ヘイヘイ、今朝は夜までパーティだぜ。レッツダーンス!」
ズンタッズンズタッ! ズンタッズンタッ!!
ズンタッズンズタッ! ズンタッズンタッ!!
ズンタッズンズタッ! ズンタッズンタッ!!
ズンタッズンズタッ! ズンタッズンタッ!!
ズンタッズンズタッ! ズンタッズンタッ!!
ズンタッズンズタッ! ズンタッズンタッ!!
I been working so hard
(私、非常に困難に働いている)
Keep punching my card
(私のカードをパンチし続けること)
Eight hours, for what?
(8時間、何のために?)
Oh, tell me what I got
(おお、私が何を得たか私に伝えてください)
I get this feeling
(私はこの感覚を得ます・・・ハイ、もしもし? ああ、この間はどうも・・・)

::・’゜☆。.::・’゜

★。.::・’゜☆::・’゜☆。.::・’゜

☆。.::・’゜★。.::・’゜☆::・’゜☆。.::・’゜★。.::・’゜☆

 2人ってのは、ケビン・ベーコンジュリー・ドレフュスさ! ジュリーは日本のブラザーのために特別に通訳を頼んだ。途中で電話が入っちまって残念だったけど、雰囲気は伝わったろ?
 演奏の間中興奮しっぱなしだったね。ノリノリのアストロミュージックに合わせてオレも腰振って踊りまくったさ。

Loose, footloose!
Kick off your Sunday shoes !!
Please, Louise !
Pull me offa my knees!!

 ルー! フットルース!! YEAH!
 思わず耳ふさぎながらハマーに電話したよ。
「ハマー! ハマーか!? サミュエルだ! 麻雀仲間のサミュエルだよ忘れんな! お前さん新しいサウンドが欲しいって言ってたよな? ちょっとコレを聞きやがれ!!」
 ケビンとジュリー、本当にありがとう。ボンジョビも感動に口開けっぱなしで身を震わせてたよ。やった甲斐があったぜ。


8月25日「人は涙の数だけ強くなれるわけじゃない」

 うん・・・うん・・・。バカだなァお前は。だから駄目だ太郎。あれじゃあルーファスに勝てないって。ルーファスの右に廻んなきゃ。なんであんな蹴り貰うかなぁ。オレなら避けちゃうよォ? 気をつけなきゃ。無理しちゃ駄目ですよ?(ガチャ)

 ・・・あ。聞いてた? いま日本のレスラー曙と電話で話してたんだよね。アイツったら試合前になると弱気になって件名が「アイタイ」だけの空メール送りつけたりしてくるもんだからさ。Cカード渡してこうやってときどき話相手になって精神面で支えてやってんの。


8月26日「TAKOYAKI」

 ♪オラ知らね〜オラ知らね〜(オラ知らね〜オラ知らね〜オラ知らね〜)
 s.A.M.u.ことサミュちゃんだHO! たまにこうやって独りデュエットで音感養ってるわけ。アクターにはリズム感も必要だしさ。

 ボンジョビの顔色がすっかり良くなったんで、快気祝いになんでも好きなもん作ってやるって言ったら「TAKOYAKI」を食べてみたいんだって。
「TAKOYAKIだって? SUKIYAKIみたいなもんか?」
「知らないの?」
「あのー・・・アレだろ? 茶色くて辛くてご飯にかける?」
「全然違うよ! まん丸でTAKOが入ってる」
「あ〜、アレな! 本当は知ってたって! な〜に、父ちゃんに任せとけ。やったなボンジョビ。明日はホームランだぞ?」
 さあ大変だ。さっそく日本通の女房(華僑)に頼んでTAKOを買ってきて貰ったよ。
 オイオイオイ、骨ばってて薄い皮で被われてて・・・コレどーすんだ? 揚げる? TAKO揚げ? 焼くんじゃないのかよ。東洋人のすることはわかんねぇぜ。
 とりあえず丸めて大釜で揚げてみた。試食。バキャッ。ブヂヂヂッ。バリバリバリ・・・ウン。いけるんじゃねっか? 軟骨唐揚げをもっともっと硬くしてビニールでくるんだような複雑玄妙な食感が舌の上で広がるの! 素晴らしいぞーう! これなら美食ハンターもうなずくんでないかい? お〜し。ボンジョビに持ってってやろう。


8月30日「ホームワークは終わらない」

 ザーサイ、エビチリ、ショーロンポ〜〜〜〜〜〜〜

 ・・・おっとっと。言葉を体で表現していたサミュエルだよ。しっかしなかなか上手くいかないよな。さっき女房(華僑)に見せてみたっけ

 イカスミヌードル? 冒険活劇飲料サスケ? ドラキュラアイス〜〜〜〜〜?

 なんて言いやがってさ。知らないよそんなの。落ち込んだよ。 今日は夏休みも終わりだし、宿題に追われる子供らの手伝いをしたよ。

 真喜子の朝顔はオレのちょっとしたアイデアで焼畑式にしたんだけどさ。芽とか出なかったみたいだな。絵日記がずーっと真っ黒な地面ばっかなんだよ。コレ精神分析医に見せたらなんて言うだろ。黒いクレヨンだけゴム消しみたいに縮こまっちゃってんの。

 ミッキーは算数ドリルでうんうんうなってるじゃないの。どれどれ父ちゃんに見してみろ。これでも昔は1キロ先のシマウマの群れを3頭までなら数え分けることができたんだぞ。なになに? 「時速2キロメートルで亀が歩き始めてからちょうど20分後にアキレスが時速7キロで追いかけはじめました」。アキレスは? 何分後に? 亀に追いつきますか? だって? 馬鹿野郎! 追いつけっこないだろが! サバンナじゃあ20分もしたら獲物なんか無限大の彼方だぜ? 「答え:アキレスは亀に追いつけない」とでも書いとけ!!

 ステファニーの紙粘土細工もちょっと手伝ったよ。何作ってんだ? クルテク? 知らねーなー。ちょっと父ちゃんにもいじらしてみろって。これを・・・こうして・・・できた! ジュラシックパークの首長竜だぞ。琥珀に閉じ込められた蚊の遺伝子からできたのさ。格好良いだろう。

 そこにボンジョビがやって来て首長竜見て「デカマラ! ビロ〜ン」って大はしゃぎするもんだからムッとしたね。おい、そこのワンクリックで救済できる難民野郎! これのどこがデカマラだい。デカマラってのはな! もっとこう・・・カリ首が・・・こうなって裏の縫い目が・・・こうなってて血管が・・・できた!! ってアレ? 母ちゃん? ぶべら!!!
 イダダダダ。サミングからチンクラッシャーくらっちまったい。「チン」とかけたのかなあ?