HOLLYWOOD DIARY
2006
6がつの日記



6月4日「末っ子のボンジョビの帰還」

 いやはや。お騒がせしてたけど、遂に戻って来たよ。あの、末っ子のボンジョビが。あまりにも家出が長すぎるんでそろそろ捜索願い出そうって言い出すタイミングを家族みんながお互いの顔色見ながら探り合ってた頃合でね。そういうことあるだろ? 他に降りる人がいるならバスの「次降ります」ボタン押したくない、みたいな。ま、そういうタイミングで突然帰って来て、ホッとしたよ。今じゃスッカリ家族の一員さ。
 戻った顛末ってのがまた傑作でね。最初から話すよ。あれは、食後にワイワイ団欒しながら家族みんなでワニの皮をなめしてるときだったかな。玄関のチャイムが8ビートで鳴り響いたんだ。

ピッピ、ピッピ、ピッピ、ピッピピ、ピンピンピンピピピンポンポ〜ン! ポンポ!

 誰だ誰だ?

 ドアを開けると、なんとマイミクのマイケル・J・フォックス(四次元殺法コンビ{色が}の片割れ)が肩をビックンビックンさせてんだ。まるで墓場でハートマン軍曹の亡霊に出くわしたような顔してね。オイオイ、どうしてそんなに震えてんだよ。乗ってた飛行機がアラスカに不時着でもしたのかい? 

マイケル「ベッドッゼ〜おきこの……………ンッおたらゼ〜フ〜たら猿がィよフッこフ〜帰った!猿よハァ〜猿たらンッ帰った起きたよこおさベッドたら…たらゥ横にたらンッ猿…起きたたらッ横におきハァ〜よこ おヒッ………前ギ!よヒッさ前ヒッゼ〜…………………この猿いた猿ゼ〜ンッいたたらたらヒッッンッゥたら……前ゥ前!!よるハァ〜ギベッドさおよこさゥこ前…猿がよガァガァおき起きたおこの…さっさ帰った!ギ起きた………帰った………よるお!!こ帰った猿が……ハァ〜………お横にヒッよ!さおき………おき!……おお… !」

 フンフンフン、ナルホドナルホド。・・・つまり声を大にしてこう言いたいわけだな。「納豆にネギを刻むと美味いんだ!」。・・・違う? わかんねーよ。もうちょっとかいつまんで慌ててくれ。ホラ、このワニの皮でもなめしながら。

マイケル「ッフ〜ギ猿!!ゼ〜いた ガァッゥ」

 なんだって!? この前のオフ会でしこたま酔っ払って帰って寝て起きたらベッドの横に猿がいて履いてたブリーフの刺繍から名前をカルバン・クラインと勘違いされて困ってるから引き取ってくれ? 見ると、マイケルの後ろで生まれたまんまの格好で何者かがモゾモゾと動いてるんだ。一瞬グレイブミストかなんかに見えたけど、よくよく目をこらすと、貧弱なポコチンのシルエットでピンと来た。ペロリ。こいつはまぎれもない、純度100%、まじりっけ無しの末っ子ボンジョビ!
 ボンジョビ・・・とりあえずこんにちワンツー! こうしてお前の無事な姿見て改めて思ったよ。そのセンスどうにかしろよナ〜。マジでありえないから。裸足とか全裸とか、デボン紀の流行か? 「逆にアリ」のつもりか? とんちんかんちんのスタイリッシュ・ショートコントか? 一周回っても来ネェよ、お前の時代は。ま、いいや。とにかく手をつなごうぜ。
 家族で輪になって踊ったよ。♪ウォ〜ウォウォ〜。マイケルも端のほうで壮絶なロボットダンス披露してたね。COOL!!


6月21日「オレたちのW杯」

HEIHEIHEI!
日本のみんなの間じゃ「生卵何個用意した?」が合言葉になってるそうじゃネェか。空港で高原に投げつけるやつ。
っつーわけで、W杯が始まってるそうだな。あの、ボール蹴りまくる遊び。カレーサッカーに似てるスポーツの祭典な。ウッカリして始まってるの気づかなくてさ。撮影所の隅で焚き火囲んで悲しみのダンス踊ってるトーゴ人の集団に聞いて初めて知ったんだ。スイスに負けたんだって。アチャ〜。
今のところ全部見逃し続けてるスティービー・ワンダーとワンカップ(WANKAPPU)で自棄酒したよ。オレたちのW杯さ。
乾杯! ゴチ〜ン
カレーサッカー? アフリカの国技だよ。水のかわりにカレー飲みながらプレーするんだ。吐いたら減点。ゴールしたら1点。池ポチャ5点。インパラ2点、ライオン13点、白人100点。ウンコ踏んだらイエローカード。餓死はレッドカード。エイズは退場。襟立ては宮刑。国境越えたらフリースロー。先にカレー食い切った方が優勝。


6月26日「あなたが人を裏切るならオレはコーヒー・ルンバ」

 撮影の合間にビンダルー食ってたら、いきなり後ろからウィル・スミスに肩叩かれたんだ。

ウィル「てえへんだてえへんだ! 渚のハイカラ人がギョッとしたらしいぜ?」
オ レ「何言ってんだYO! ハイカラ人ってなんなんだYO!」

 思わずビンダルー鼻から吹いちまったぜ。しかも付け合せのチャツネまでこぼれてんの。オレの優雅なカレータイムが台無しさ。シッ! ま〜いいや。ちょうどタバコも切らしてたことだし、チャツネと一緒に買出しに行くか。

ウィル「あ、ついでに缶コーヒー!」
オ レ「なっ・・・仕方ネェな〜」
スティービー・ワンダー「ジョージアの新しいの! あのオレンジ色の・・・」
オ レ「お前はFIREだけ飲んどけ!」

 したっけスタジオのやつら、口々にオーダーし始めた。

デンゼル・ワシントン「オレもコーヒー! 微糖の」
クリス・タッカー「オレはアイスコーヒー!」
ババ・スミス「オ、オ、オデも! HOTで!」

 オレはハラダのやぶ北ブレンド茶のさと子さんか!? そんないっぺんに覚えれないっつーの。だいたいアイスコーヒーHOTってどういうことだYO! もういいや。こうなったらアミノ酸まとめてドーンだ。
 久しぶりに麻袋かついじゃったい。


6月27日「オレは微糖・コルレオーネ」

♪ア、ア、ア、ア、ア〜、よく見りゃアフロだカリフラワ〜
 スタジオで発声練習してたら、メールの着信音が鳴り響いたんだ。誰だYO! あ、オレのか。メンゴメンゴ。件名なしで

本文:もう 駄目かもしんない、ミアミーゴ(iへi)

 ウィルからだ。どーしたんだ、アイツ? そういや珍しく休んでるよな。写真が添付してあったんで見てみると、暇なときによく三角ベースやってる路地裏なんだ。スゲー嫌な予感がしてさ。スタジオ飛び出した。

(つづく)


 あ、日記のタイトルは、飛び出すときにデ・ニーロが後ろで言った駄洒落な。昨日の買い出し以来、パシリのパブリックイメージが定着しそうでヤバいぜ。ハリウッドスターはお茶汲みじゃねっての!


6月28日「逆におもいっきりのけぞったッ!」

(前回までのあらすじ)マブダチのウィル・スミスから来た不吉なメールに胸騒ぎを覚えたオレは、裸足でダッシュしはじめた。

 嫌な予感ってのは当たるもんだね。駆け出した瞬間犬の糞踏んづけてスッ転んで後頭部しこたま地面に打ちつけてやんの、オレ。
 あ〜あ。
 空はどうしてあんなに高いんだろーなああああああ〜〜〜。












 ・・・ん? あ、そうだ。日記や〜んぴ。
  (長らくご愛読ありがとうございました)