ハナコ・林田林田男 林田林田男(以下はやしだ): おーい。いるますか。 ハナコ(以下ハナコ):おー。いるます。下妻おもろかった。 はやしだ: 面白いでしょ? 去年のベストだなあ。僕としては。 ハナコ: 土屋アンナは素晴らしいねー。私と妹のアイドル・アンナちゃん。 はやしだ: アンナってヤンキー? ハナコ: そうそう。モデルなんだよ。 はやしだ: それは知ってる。 ハナコ: すげー可愛くていいんだわ。アンナちゃん。 はやしだ: そんなにか。「目から何出した?」ってセリフが可笑しかったね。 ハナコ: 言ってたねー。他の台詞もかなりオモロカッタ。「なめられてたまっかよ」とか。アホだよなー。 はやしだ: ハルヲがちょっと出てくるのも良かったね。妙にうけた。 ハナコ: 「で、水野晴男をずっと見てたの?」「ウン!」ていうのも。 はやしだ: 青春ものとして素晴らしかったね。 ハナコ: フカキョンもアホだしなー。お弁当がお菓子だし。 はやしだ: フカキョンに男が絡んでこないの良かったよ。 ハナコ: 二人ともまともに男が絡まないのが良かった。 はやしだ: うん。 ハナコ: アンナもしょうもない失恋だったし。いやーいい映画だった。 はやしだ: 邦画も捨てたもんじゃないと見直したね。 ハナコ: でも妙に凝ったようなシーンは私あんまり好きじゃなかった。 はやしだ: ロココの説明とか? ハナコ: ロココの説明はいいけど、急に映像を荒くしたり、突然テレビの中身がフカキョンの説明になったりするとこ。道端の人がいきなり「君じゃなきゃダメなんだ」って言い出したりするのがちょっと。 はやしだ: あれはさー、フカキョンが現実と妄想の狭間に生きてるってことを表現してるんだと思うけど。 ハナコ: えーーーーー。君、それっぽいことを言うようになったんだな。ふーん。 はやしだ: いや、見たときからそう思ったよ。 ハナコ: たとえそういう意図があったとしても、私はあんまり好きじゃない。なんか奇をてらってる感じ。 はやしだ: 駅のアナウンスとか? ハナコ: そうそう。突然空を飛ぶ、とかそういうのは確かにフカキョンのキャラっぽいけどさ。 はやしだ: あはは。テルマ&ルイーズも飛んだしさ。 ハナコ: 代官山を歩くシーンで、オシャレっぽい・ちょっと荒い画像になって「愛」とか「自由」とか出てきたのが爆笑した。ああいうのオモロイよね はやしだ: あれ。そこは忘れてるな。DVD買おうかな。 ハナコ: 私もDVDほしいんだよねー。 はやしだ: 買いなよー。 ハナコ: 下妻物語って大人というか老人が見たらどうなんだろうな。老人じゃなくても私とかより年が上の人が見たら。 はやしだ: 下妻に限らず老人なんか何見せても駄目だろ。 ハナコ: 異端のファッションってのが昔もあったんだろうか。ファッションが異端で、世間からずれている、なんていうのが昔は存在したのだろうか。 はやしだ: 「傾き者」では。 ハナコ: そうかー。でも庶民じゃん。フカキョンは。普通の一般市民だけど、ファッションが異端で世間からずれてて、でもそれを貫き通そうとする人がいたのかなー。まーロリータはファッションだけじゃなく思想も変だけどさー。 はやしだ: そりゃいるんじゃないの? いつの時代にも。高等遊民とか言って。 ハナコ: でもそれだって金持ちだったりするわけじゃろ。あの二人は普通の人じゃん。 はやしだ: 2人とも「流行に乗ってない」ってのがポイントだよね。 ハナコ: そうそう。流行に乗ってないのがおおごと、ていうのが前提になってる映画じゃろ。でも昔ってそういうのそこまで問題だったのか。 はやしだ: 昔っていつごろ? ハナコ: そうだなぁ。たぶん戦後は流行とかって結構一般市民にもでかいことだったんじゃないかと思うけど、戦前だったらそれどころじゃないんじゃないか。芋食べるので必死だったかも。でもその時代時代でやっぱ流行はあるからなぁ。私のお母さんなんかに見せたら、どう思うかなぁと思った。あんなにお洋服に熱意を傾ける子ってのが理解できるのかなぁ。 はやしだ: まあアレだ。今で言う制服着たOLなんかも十分一昔前は奇異だったらしいから。昔のほうが異端に対する世間の目は厳しかったろうね。 ハナコ: そうかー。なんかもはや一般市民とは認めてもらえなかったんじゃないの? はやしだ: 女学生ですら近代以降でしょ。個性とか自我とかそういう観念すら無かったかも。 ハナコ: そうそう。なので、ああいう映画を理解できるのかなーと。もちろんそういう人もいただろうけど、たぶん一般にはいなかったんじゃないの? まーだから現代的な映画なのかなぁと思ったよ。 はやしだ: なるほどね。 ハナコ: 特に、お洋服に関することだし。もっと思想とか中身に関することなら、そういうのをテーマにした作品も昔からありそうだけどさ はやしだ: 今は流行とかファッションが飽和してるような時代だしね。 ハナコ: フカキョンの格好とか持ち物がやたら可愛かった。お部屋もアホみたいで可愛かったー。まぁあんな格好しないけどさ。フカキョンでさえロリータファッション着たら滑稽に見えるのだから、もうロリータ服ってのは誰が着ても変な服なんだろうね。悲しい事実。 はやしだ: それもそうだなあ。なぜか新宿三丁目の周辺でロリータファッション全開の人をよく見かけるんだけど、あそこらへんに何かあるんかしら。 ハナコ: そうなのか! 新宿三丁目!? 原宿にたくさんいると聞いたけど。 はやしだ: それは知らないけど、新宿三丁目だと異様に目立つんだ。メイドみたいなロリータみたいな。 ハナコ: それってメイド喫茶の人じゃなくて? はやしだ: わっからん。街中歩いてるんだよ? ハナコ: 変な町だなぁ。 はやしだ: 統一性がないんだ。何かのイベントの帰りっぽい。 ハナコ: そうか・・・。私キューティーハニー見るか下妻見るかで迷ったことを激しく後悔した。 はやしだ: あはは。 ハナコ: 同じ頃に上映していた。 はやしだ: ドハズレだったね! ハナコ: ウン!! あれはひどかった。良いとこまるでなし。 はやしだ: 0か100かだよ。それは。 ハナコ: 1000円で見たのが唯一の救い。 はやしだ: あはは。僕もだ。
※対談はメッセにておこなわれました。
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